別れる店があれば、新たに出会う店もある
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二泊三日の東京出張を終えて、帰路につく。去年から関わっている仕事の打ち合わせだ。メンバーは結構入れ替わっているが、私はまだやっている。一度始めたことはやりきらないとその仕事から学ぶことは半減すると思っている。それはアルバイトであっても同じで、アルバイトでも最低一年間は続けなければならないと思っている。
声が掛かるうちはやりきろうと思う。
◆
で、この打ち合わせが終わってから、いつもの店で食をしたのだが、その前に少し時間があったので、学生時代にこの街で最初に行ったバーに寄ってみた。これがとても残念であった。
老舗のバーである。
いや、老舗だと思っていた。
ところが、ただの古いバーになっていた。
バーと言うのは、サービス業の最たるものだと思うのだが、とても寛げるものにはなっていなかった。
客からの正当な指摘を、単なるクレームとしか考えられず、最初から食い逃げしようと企んでいると思い込んでいるような言動があって、もう、驚くばかりであった。バーテンダーのあの目はダメだ。いきなり憎悪の目だったもんなあ。
ああ、残念だな。もう、あの店には二度と行くことも無いな。
一緒に行ったメンバー全員がそう思うのでありました。
◆
で、いつもの店で食事。
相変わらず美味しい。安心して食べられる。
こうでなきゃ。
◆
もう少し話したいなあと思ったので、一緒に食事をしていた人の知り合いのバーに行く。五年ぶりだとか。だけど、これがまあびっくりする位最初の店とは違って、いい。
バーの良さは、その空気感にある。適度な重厚さのある方が私は好きだ。インテリア、食器、酒器、客同士の会話、そしてそこで働く人たちの存在。邪魔にならず必要な時にはすぐに応えてくれる。その適度な重さが、アルコールと相まって、すっと疲れを抜き出してくれる。
オーダーだ。こちらのリクエストをしっかり聞いて、そのリクエストのど真ん中を出して来てくれた。この店での一杯目は、これ。
http://www.highlandpark.co.uk/
今年は就職して四半世紀。「ど根性ガエル」の町田先生と同じである。
そこで、バーでは25年ものを頼むことにしている。
自分が走り続けて来た年月に熟成を重ねて来た一杯をあれこれ思いながら味わいたいと思って25年ものを頼み続けている。
とても良い一杯だった。
私の25年はあっという間だったなあと思うが、その25年も樽の中にいて、こうして出会うのを待っていてくれたのだなあと、勝手に思う。
すると、カウンターの上に何やらもう一本瓶が並んだ。
『ん?』
「違う種類ですが、26年ものもございました(^^)」
とバーテンダー。
「来年、是非、お楽しみください」
こういうのが嬉しい。
うまく行くと、来年もこの打ち合わせは続きそうだから、是非頂きましょう。
◆
谷中ショウガを使ったオリジナルのカクテルをもう一杯貰い、ホテルに気持ち良く帰るのでありました。別れる店があれば、新たに出会う店もある。そして、また新しい明日が始まるのだな。
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コメント
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とても魅力的な記事でした。
また遊びにきます。
ありがとうございます!!
投稿: 履歴書の書き方の見本 | 2011/09/03 14:27
バーテンさんの立ち居振舞いってとても大事ですよね…。
美味しいカクテル呑みたくなりました。
投稿: 大阪より真由美 | 2011/09/05 20:09