26巻の旅が始まったのでありました
10/25
30歳になったら読もうと思っていた本がある。『蝉時雨』(藤沢周平)である。いや、何歳で読んでも良いのだろうが、その本を手にしたとき漠然とそう思って、30歳になるまで待った。正解であった。10代や20代ではあの世界の凄さは、理解はできても納得することはなかったかと思う。
40代のうちには読んではいけないような気がする。
そう思っている本もある。『鬼平犯科帳』である。良いのは読まなくても分かる。いろいろな人がいろいろなところで良さを述べているのだから。
テレビ番組のエンディングの曲が、http://www.youtube.com/watch?v=Tm7N0-LGpEcと知ったときには、内容も知らないのに
(ああ、合っているなあ)
と思ったものだ。
それだけになんだか読めなかった。というか、若造には分かってはいけない世界のような気がしてというのが正しいか。
◆
ところが、うっかり読んでしまったのだ『鬼平犯科帳 1』。
あっという間に一冊を読み終えてしまった。
いい。やっぱり、いい。
結末を心地よく裏切りながら、解決していく。
それでいて、その解決の中に次の話の種をまいていくのだ。
引きづり込まれる。文章には独特のリズムがある。これは句点の使い方が絶妙なので生まれてくるのだと思う。
26巻の旅が始まったのでありました。
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