『武器としての決断思考』(星海社)を読み終える
10/7
瀧本哲史さんの『武器としての決断思考』(星海社)を読み終える。直ぐに、来年度のディベートの授業の副読本として使うことに決定。本書はディベート甲子園を目指す中学生から、大学生まで幅広く読まれるべき本であろう。ディベート思考に基づいて決断へのプロセスを論じている。
しかし、本当は中学生の特別活動のテキストとして読ませたい、と思ったのである。特別活動とは、学校行事のことと思われるが、実はその中身は結構多岐なのである。その一つに「進路指導」というものがある。学習指導要領には「学業生活の充実,将来の生き方と進路の適切な選択に関すること。」とある。
間違えてはいけない。進学指導ではない、進路指導である。本文には、さらに「主体的な進路の選択と将来設計など」とある。私は、国語科でディベートの指導をしながら、常にここのことを意識していた。卒業後の進路選択の際、自分で仕事や学校を比較して決断させたいと思ったのだ。
『大事なことを決めるときは、資料を集め、じっくり考え、一人で決めることだぞ』と中学生に話していた。じっくり考えの、考え方をディベートで身につけさせようとしていたのだ。本書は、ディベート思考を通して決断とは何かを具体的に好書である。私なら中学校2年生の課題図書にするなあ。
義務教育段階で、どうやって生きていくのか、その為にどう考えていけば良いのかということを教わることもなく社会に放り出され、(え?)と思ったら、「自己責任です」と結果だけ背負わされる。そんな社会になってしまっている。学習者としても、指導者としてもそんなんじゃあ駄目だと思う方には『武器としての決断思考』(星海社)をお勧めしたい。
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