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2011/11/28

「掬い撮る」ことができるのは、教師だけなのだ。

11/28

Photo

明日の教室、塩澤さんによる写真講座が終わった。
上記の写真は、その講座のレッスンを受けての私の一枚(^^)。
ブルーモメントの京都橘大学です。
いやあ、良かった。

実はこの講座もっと多くの方が参加を申し込みされると思っていた。実際は30人程度。講座を行うには実に適切な規模なのだが、もっと多いと思っていた。写真にみなさん興味が無いはずは無いと思うのだが、それが教育とどう結びつくのかが理解しにくかったのか、写真なら教わらないでも出来ると思ったのか、用事と重なってしまったのか。

いずれにしても実に勿体ないことであった。
写真は、教育と実に相性がいいのだ。

カメラを構えていると、子ども達は
「先生、撮って!」
とやってくる。
子どもの笑顔を写してあげることが出来る。

また、当たり前だが、写真はその子どもが自分を客観視することが出来る。自分の姿を客観的に見ることが出来るのである。教師はカメラマンになって、その子どもが気がつかないその子どもの良さを写し撮ってあげることが出来るのである。

君にはこんなにいい点がある。
だけどそれには気がついていない。
ほら、こんなにいいところがあるんだよ。
と写真を示す。

その延長で、世界を示すこともできる。
世界はこんなに美しいんだ。
ほら、これがその世界だ。
と写真を示す。

それが写真のいい所なのだ。
デジカメではそれが現像や焼き付けいらないで、一瞬で示すことが出来る。
Macにつなげば、本当に簡単に写真はiPhotoで整理され、大画面でスライドショーでも見ることも出来る。

写真は実に簡単に上手に撮影できるようになったものだと思う。

私もカメラを持ってもう30年にはなるが、いまのデジカメはもうほとんど別物かもしれない。私は高校のクラブの記録係として映像を担当していた。コンサートの記録である。暗いステージに向けてフラッシュを焚いてしまうと、おかしな絵になってしまうので自分で増感現像をしていた。

トライエックスというフィルムを缶で買って来て、ダークバックで手探りでパトローネに詰めて、増感現像、焼き付けまでやっていた。だから、オートにしてシャッターを切れば、ほぼ間違いなく撮影できて、間違えてもコンピュータ側で簡単に調整できる、いまのデジカメは私には別物にさえ思えるのだ。

だから、デジカメであれば簡単に「写す」ことは出来るのである。

ところが、ということはここに大きな課題が潜んでいることになる。
どういうことなのか。

1)子どもは写りたがっている。
2)カメラは簡単に撮影できる。
3)Macにつなげば写真の整理、表示も実に簡単。

いまの教育における写真の環境は上記のようになっている。だから、簡単に「写す」ことはできると書いたのだ。ではなにが問題なのか。

何を写せばいいのかが見えるかどうかということなのである。
塩澤さんは、この講座の中でそれは「プラスの場所」だと指摘された。

実際の所、テニスのサーブのフォーム矯正のときには、それを連写で撮って「ほら、トスの位置が手前過ぎるだろ?」と弱点を明らかにする使い方もあるのだが、基本的にはプラスの場所を写し撮るということはその通りだと思う。

では、何がその子にとってのプラスなのか。
写真に写し撮ることで、その子どもにどんな発見をプレゼントすることが出来るのか。それは、そのカメラマンである教師の力量に掛かっているのだと私は思うのだ。

となると、私たちは実は子どもを見る目を鍛えなければならないのだ。この目がなければ、奇麗に写った写真ではあるが、だから何?という写真だらけになるのではないかと思うのだ。

恐らく、写真を通して子どもを見る目を鍛え、鍛えた目でさらにいい写真を撮る。
私は、実はそうやって教員として子どもを見る目を鍛えて来たようにも思っている。

教室には被写体が沢山いる。
その被写体の一瞬の煌めきを「掬い撮る」ことができるのは、教師だけなのだ。

素晴らしい一枚を子ども達にプレゼントできますように。

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コメント

「プラスの場所を写し撮る」
素晴らしいです。
参加したかったなあと、叶わぬ思いを抱いてしまいました。
池田先生の写真もいつもにまして素敵です。
樹の傾き具合がなんともいわれません。

ご無沙汰しております。
塩澤さんの講座を受けて、私もますます写真が好きになりまして、いつも以上に撮影しています。

この講座の様子はDVDになります。
是非、校内研修会でお使いください(^^)。
とてもいいと思います。

また、愚生の写真をほめていただきまして、ありがとうございますf(^^;。

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