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2011/12/08

指導をするということの根本は何なのかを理解すること

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Hinode

本日の学級担任論は、掃除指導から教室美化についてあれこれ話す。掃除指導は、掃除を通して教室を綺麗にすることも大事な目的だが、掃除の活動を考えさせ、実際にやらせるなかで学級を育てることも大事な目的であることを話す。具体的には『掃除サボリの教育学』(家本芳郎著)のゴミ箱問題で。

家本先生の本書で、私は掃除指導のあれこれを学び実践してきた。だが、間違えてはいけないのは、やり方だけを学ぶことではない。その指導の根っこのところを身につけることだ。家本先生は、学級に問題があると先ず自分で実際に確認してみる。そして、問題の所在を子ども達としっかりと共有する。

例えば、ゴミ箱の中にあるゴミを捨てない、または他のクラスのゴミ箱に捨ててしまうという問題が発生した場合である。通常であれば、「こら、そんなことするな」で終わりにするだろう。しかし、先生はそうじゃない。実際にゴミ箱を持って学校の中のゴミ捨て場に捨てに行くのだ。

そうすることで、子ども達がこのゴミ捨ての仕事をさぼる理由を発見する。ゴミ箱が重いのだ。そこからあれこれ工夫する。これは実に面白い。これは読んでもらうのが一番である。大人の側からすると、サボるな!である。しかし、子どもの側に立ってみると、重たいのが大変だというのはよく分かる。

この子どもの側からこの事実を見たらどういうように見えるのか、という視点を持つことが極めて大事だと私は考えている。勿論、子どもの側から見て(これは我侭だな)とか(話にならない)ということもある。だが、先ずはどう見えるのかと見てみることが大事だと思うのだ。

私は、中学校の教師の頃にこの本を読んでそれを学んだ。指導というのは点ではなく、線なのだということも学んだ。一点を指導してもダメで、問題は流れの中に生まれるということをだ。ゴミ箱問題を読むとよく分かる。私はこのことから教室の美化の実践どう工夫したのかを話した。

学生たちは、結果だけを理解しようとする。これは、点だ。S.ジョブズのスタンフォードのスピーチであった点を繋ぐだ。この話にあるように、点を繋ぐことは大事だ。http://t.co/i9hwvgqL しかし、点を繋ぐことは難しい。だから、エピソードで説明していくことも大事。

エピソードで説明する時、点が線に結ばれて行くことが理解できる。ジョブズのように語れたかどうかは別にして、意図はそこにある。学生諸君が、現場に出たときに家本先生と私がやった指導のレベルから始めれば良い。それが学習した人のいい所だ。だが、大事なのはそこだけではない。

指導をするということの根本は何なのかを理解することである。今日のテーマは掃除指導と教室美化だったが、その事を通して、担任がクラスを指導することの根っこの部分を理解させたいというのが今日の授業のテーマだったのだ。そのことを話しておしまいにした。来週は「忘れ物」指導である。


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コメント

家本先生は、指で指し示すことだと述べられていたと思います。
<教育力>を磨く をもう一度読み直したいと思いました。

他にもありますよね、家本先生の定義は。私もときどき『<教育力>を磨く』を読み直しています。

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