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2011/12/14

「デンマークの大学で試験中のインターネットへのアクセスを許可」から考える

12/14

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昨日、調べ物をしていて次の記事を見つけた。

「デンマークの大学で試験中のインターネットへのアクセスを許可」http://t.co/o7Grttds

これについて、「これが世界の流れでしょう。こうして鍛えられた学生たちと、日本の学生たちは同じ時代を生きて行くことになります。」とツイートした所、これがまあ、凄い勢いでRTされている。Favされている。私のtwitterで最高記録になっている。こんなに反応があるとは私もびっくりである。

なんでこんなに反応があるのかと考えたのだが、これは一種の日本の教育やテストに対する、批判なのではないかと思ったのだ。もっと簡単に言えば、知識偏重主義への批判である。

「だからね、ネットを使って調べればいいんだよ。覚えなくても良いんだよ」

という思いがあるように感じられる。
だが、このリンク先の記事を良く読んでみるとこう書いてある。

引用開始 ーーーーーーーーーー

南デンマーク大学がカンニング対策として試験中に学生がインターネットへアクセスすることを許可する方針を採用したことを紹介しています。

引用終了 ーーーーーーーーーー

知識が要らなくていいということにはなっていない。
以下のようにある。

引用開始 ーーーーーーーーーー

「テストで見たいのは、学生の問題解決と分析能力であり、ある特定のトピックについて考え議論する能力である。」

引用終了 ーーーーーーーーーー

つまりカンニング対策をきっかけとしながら、テストの問題の質を変えてきたということなのである。

持ち込み可のテストというものは今でもある。
このテストを受けたことのある人は、持ち込み不可のテストと比べてみると、可の方がテストが難しいというのは体験的に知っている。

何でも持って行っていいというのは、何を持って行かないかということなのである。持ち込んだ資料のどこに何が書いてあるかを理解していないと、すぐにテストの時間は終わる。試験問題と資料がどのように関係しているのかを理解できないと、資料は資料として活用されない。

インターネットに接続してテストを受けることが可能になる。これは何が前提になっているかと言えば、

・問題を解くために必要な、適切な検索Wordを手に入れている。
・出てきたデータの真偽を見抜く力を持っている。ヘイトサイトを見抜ける。
・データは何を表しているのかが分かる。
・そのデータから、論証すべきことが分かる。
・論証によって問題を解決することができる。

ということであろう。

(意味は分からないけど、暗記しておけばいいや)

で点数が取れるテストではないということなのだ。
難しくなると考えて良いだろう。

私が懸念するのは、日本のテストは、問題解決の力を見るテストがなかなか行われないということ。さらに、ネットさえあればあとはなんとかなると思っている若者が多いということである。

ネットは、簡単に検索できると思われるが、きちんとした資料に辿り着くのは結構実力が必要である。そしてまた、恐ろしいことに検索の結果、答えらしき物が出てくるとそれを自分の答えにしてしまっておしまいということにする者も多い。考えないでおしまいということが実に多い。

検索で出たものは、答えらしきものであり、答えではない。
これを答えにするのは、いやなかなか難しいものなのだ。きちんと検証して議論を構築しなければならないのだ。ディベートをやっている人にとってみれば、当たり前のことなのだが、やっている人は多くないしねえ。

あ、ディベートに興味がある人は、http://nade.jp/やhttp://japan-debate-association.org/を見られることをお薦めします。

ま、いろいろと考えさせられる記事であります。

因に、記事の全文は以下の通り。

引用開始 ーーーーーーーーーー

デンマークの大学で試験中のインターネットへのアクセスを許可(記事紹介)
Posted 2011年5月18日

2011年5月12日のTimes Higher Educationに、“The Danish gambit: online access, even during exams”と題した記事が掲載されています。記事は、南デンマーク大学がカンニング対策として試験中に学生がインターネットへアクセスすることを許可する方針を採用したことを紹介しています。この方針を採用した背景には、2012年1月までに原則として同大学の全ての試験を、手書きの試験からデジタルプラットフォームへ移行させていることがあるようです。記事では、同大学のeラーニングプロジェクトを担当するLise Petersen氏の言葉として、「テストで見たいのは、学生の問題解決と分析能力であり、ある特定のトピックについて考え議論する能力である。」「試験でインターネットを利用することで、インターネット上の巨大な情報源から、関連する情報とそうでない情報を峻別し、関連する情報を文脈に載せるスキルが学生には求められることになる」という意見を紹介しているようです。また、Petersen氏はカンニング問題に関して、「(試験中に)コミュニケーションをとったりディスカッションをしたり、あるいは検索したりすることが許されるのであれば、誰もカンニングをしなくなるだろう。なぜならもはやそれはカンニングではなくなるからだ。我々が考えるべきはその方法である。」ともコメントしているようです。

The Danish gambit: online access, even during exams (2011/5/12 Times Higher Educationの記事)
http://www.timeshighereducation.co.uk/story.asp?sectioncode=26&storycode=416090
• カレントアウェアネス-R, 情報検索, 情報リテラシー, インターネット, デンマーク
• 参照(3813) 印刷用ページ

引用終了 ーーーーーーーーーー

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コメント

これは面白いですねえ。
何というか"正しい社会とのつながり力"とでも言うような能力を伸ばす
とても面白い取り組みだと思いました。
仕事でも、いくらネットを眺めていても解決しないことの方が多い事を思うと、
試験時間中に調べて、まとめて、手を動かして、解答するというのは高度ですね〜

先生、試しに何か問いを立ててみてくださいよ〜(笑)

現在も、私のFav記録更新中の記事です(^^)。ですが、どうも誤解されているような気がしてならないので、ブログの方で書いてみました。

「だから日本はダメなんだよ、遅れている」と反応しても意味はあまり無いと思います。日本中捜せばこのぐらいのことをやっている先生はいると思います。

問題は、記憶だけのテストでは判断することの出来ない試験問題がある。しかし、そのためには基礎の記憶が前提になっている。おそらく少し前に書いた『奇跡の授業』のようなスローリーディングのようなことをしつつ基礎学力をつけ、その先にこのような問題が解けるようになるのではないかと思うのです。

このデンマークの先生は、カンニングやコピペ対策でこのような問題を考えたようです。そして、それができれば暗記から逃れるというような思いを抱く人たちもいるようですが、これは違う。

ネットの検索の方がテストを解くのは楽という幻想があるようですが、おそらく違うでしょう。なんだか、やぶへびのようなことになるのじゃないかなと(^^)。

問題ですか。
正月にでも考えてみるかな。あ、今年は東京に来るの? 正月は?

では。

「微分積分なんて何に役立つんだ!」と高校時代から最近まで言っていましたが、「おおお!これは微積だあ!」と思うシーンが先日ありました。
知識なんかなくても、ネットでオッケーなんだよ!ということは絶対に無いですね。

何より、資料持ち込み可のテストが意外と難しいように、ネット可は手ごわそう。

正月は帰らないです〜
子供の部活やら大会やらで、もうそういうスタイルは当分ないのだろうなあと思っています(笑)。

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