娘のアモーレ情熱に引きづり回されて
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アモーレ情熱ということばがある。『ほめるな』(伊藤進 講談社現代新書)にある言葉だ。
アモーレ情熱とは、本書に寄れば内的動機付けのことである。周りからほめられたからやるというのではなく、その子どもが持っている内側からの、やりたいという思いを大事にせよ。ほめると、そのアモーレ情熱を台無しにしてしまう恐れがあるよ、というのが本書の重要な主張の一つである。
私は面白く読んだし、学生たちに紹介したところこの本を手がかりに卒業論文を書く学生も何人かいた。ほめて伸ばすことが主流の現在において『ほめるな』という主張は、実に面白い。
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娘を見ていると、このアモーレ情熱で突進する姿を見ることが出来る。勿論、幼稚園や近所の友達がやっているのを見てというのもあるのだが、いつの間にかそれにハマって突進している。
クルクル剣
綾取り
なぞなぞ
貝合わせ
お習字
とにかく突進ししている。
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このアモーレ情熱に降り回されているのが親だ。
朝の忙しい時間や寛ぐ時間に、このアモーレ情熱で襲いかかってくる。
「一緒に作ろ!」
「四段ばしご教えて」
「問題出して」
「貝合わせしよ」
「お習字したい!」
と。
(えっと、四段梯子の作り方は?)
とyou tubeで確認して必死に覚える、思い出す。
『大辞林』の後方一致検索で「とり」の付く言葉を捜して「鳥は鳥でも、見とれている鳥は?」なんて問題を考えてたりする。割と大変。
まあ、でもこの時間がいいんだよなと思う。娘のアモーレ情熱に引きづり回されて、新しい地平に辿り着けるかもしれないってのは、嬉しいものだ。
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