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2012/05/25

卒業生が研究室にやって来た

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今日はたまたまなのだが、今年中高の教職課程を終えて教員になった卒業生が研究室にやって来た。入ってくるなりあれこれ述べる。
『だから、言ったろ。現場は大変なんだって』
と言う。大変なレベルはいろいろとある。a.生徒。b.職員室。c.管理職。d.保護者。e.その他。

このうちのどれが一番楽かと言えば、a.生徒である。そして、一番大変なのは、a~dが全部というものである。教師が実践を重ねて行く上で一番無ければならないのは、その教科に関する知識であろう。生徒が
(この先生には敵わない)
と思うような知識が必要。そして、それに基づいた指導力が必要だろう。

これがあれば、授業での生徒とのあれこれはかなり減じる事が出来る。ただ、それがあったとしても、b~dは上手く行かない事も珍しくない。いや、寧ろ生徒とは上手く行っているのに、b~dは上手く行かないということもある。

何が問題なのか。それを分析してプランを立てる事は大事。だが、私は若い先生にはそんなことよりも、信念を前面に出して授業を作る事を大事にしてほしいと思う。教師は公立私立を問わず、公教育をしているのだ。教育サービスではなく、公共サービスをしているのだ。

誰か特定の生徒の為だけにやる授業をしているのではない。それは家庭教師が担う部分である。公共サービスは、社会の最大多数の幸せの為に行われる営みだと思っている。簡単に言えば、この授業を受けている生徒たちが力を付ける授業であるかどうかである。

力をつけた後、自分を伸ばすようなるのが半分。残りの半分は社会を良くする事が出来るようになる事。これが大事。そして、これは教育基本法の第一条に書かれている事だ。で、ここに焦点を当てて授業をする限り、教師は挑戦が許されると考えている。

授業はやりたい事と、やった事、出来た事の差が多い。それは、子ども、教師、教育環境などの不確定要素が多いからである。だから、出来るはずと思っていても、ダメな事もある。だが、このクラスの子どもたちをなんとかしたいというその一点で授業をしていれば、それは生徒に届く。

リーダーは孤独である。教師は大人で生徒は子どもである。場合によってはとんでもなく大変になる。教師は学級ではリーダーであり、大人であるから。だがその事実から逃げてはいけない。
「いいから、やれ」
これをどのように伝えるか、そしてそれをやりきらせるか。
これが大事だという事を言う為に3時間かかったとさ。ふう。

で、別の学校に就職した卒業生からも連絡があった。
研究室にやって来たのだそうだが、そのときは私がいなかったので手紙が置かれていた。
メールを出しても返信がなかったので、電話番号を調べて夜に電話した。

思ったよりも声に元気があって一安心。
話を聞いてみると、生徒とぶつかり合っていてへこたれそうになっていた。
電話で短時間での聞き取りなので、そのクラスの状況は良くは分からないが
大体イメージできたところであれこれ話す。

やっていることは基本的には間違っていない。
あとは、どうやってクラスを立て直すか。そのきっかけ、糸口を伝えた。
『大丈夫。私の厳しい授業を受けて来たのだから、大丈夫』
と応援。

こういう日もある。


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