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2012/07/05

万葉集を読み返している。山上憶良がいい

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万葉集を読み返している。山上憶良がいい。

生きている限り
穏やかで安らかでありたいと思う
事故も死の悲しみもいらないと願う
けれども現実は憂鬱でつらい
ひどい痛みの傷に
さらに塩をすりこむように
重い荷を負う馬に
さらに重い荷を負わせるように
老いた身に病気までわずらった私は
ただただ嘆いて昼間をすごし
ため息ばかりで夜を明かす
病気が長びけば心も弱り
いっそ死のうとさえ思うけれど
騒ぐ子供らを見捨てて死ぬこともできず
彼らをじっと見つめるうちに
いつしか胸は熱くなる
結局のところ私には
あれこれ悩み 泣き濡れる
ただそれしかできないのか 

山上憶良 『万葉集』897番歌

たまきはる うちの限りは 平らけく 安くもあらむを 事もなく 喪なくもあらむを 世間(よのなか)の 憂けく辛けく いとのきて 痛き瘡(きず)には 辛塩(からしほ)を 注くちふがごとく ますますも 重き馬荷(うまに)に 表荷(うはに)打つと いふことのごと 老いにてある 我が身の上に 病をと 加へてあれば 昼はも 嘆かひ暮らし 夜はも 息づき明かし 年長く 病みしわたれば 月重ね 憂へさまよひ ことことは 死ななと思へど 五月蝿(さばへ)なす 騒く子どもを 打棄(うつ)てては 死には知らず 見つつあれば 心は燃えぬ かにかくに 思ひ煩ひ 音(ね)のみし泣かゆ

『SONG OF LIFE』の翻訳による

だんだん、万葉集の歌人が身近な友人のように思えてきた。
嘗て中野孝次先生が
「私はもう現代の人よりも、古の人の方が本当の友人のように思えて仕方が無いのです」
のようなことをおっしゃっていたのを読んだ記憶があるが、私もだんだんそうなっていくのかなあと思う。

四十代最後の夜に思う。あ、あと20分だf(^^;。
おやすみなさい。

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