人生はこうやって、さまざまな伏線を用意してくれている
9/21
一泊二日で九州の高校にディベート入門講座をしに行って来た。
体育館に机と椅子を入れて、マイクロディベートを行った。
受講した生徒は高校二年生で365人。
今まで私が行って来た授業では、最大の人数だと思う。
なんだか、授業と言うよりはソロコンサートをやっているかのようであった(^^)。
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この授業のご縁は今からもう20年近く前になる、ニフティサーブのパソコン通信「授業づくりの部屋」、16番会議室になる。
当時そこでは、それこそ日本中の授業に関心のある「新しい物好き」の先生たちが、毎日定額制のネット料金体制等なかったにも関わらず、画像や音声、ましてや動画なんて夢の夢の世界であったときにも関わらず、文字だけで電話線を熱くしながら、日本の教育をなんとかしようと、連日連夜語りあっていたのでありました。
私が最初に受けたディベートの講座もここの会議室で情報を得たし、その後長くお付き合いをしていただく事になる先生たちとも、この会議室を通して出会った方が本当に多い。(つーか、誰か16番会議室の歴史を書いてくれないかなあ。日本の教育史においてそれなりに重要な役割を果たしていると思うのだが)
この会議室で出会った方の中のとても大切な先生が、故穴見嘉秀先生であった。ピグマリオンを名乗り、国語に関しての情報量はピカイチで、何を聞いても即座に答えてくれる穴見先生は、本当はドラえもんではないかと噂されるほどであった。
その穴見先生から依頼をされて、九州でディベート講座をしたのが、18年ほど前。その時の講座に参加されていたのが、今回私を九州にお招きいただいたI先生でありました。
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最寄りの駅まで車で迎えに来て下さると言うので待っていました。久しぶりにI先生にお会いするので、お顔を覚えているかなあと思ったのですが、相変わらずのお優しい笑顔で、直ぐにわかりました。なんだか自分でもびっくりでした。
校長先生と講座の前にあれこれとお話をしていたらあっというまに時間。校長先生がいい先生だとこの時間が本当にあっという間になる。
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体育館でMacBook Airとプロジェクターの設定、またMacBook AirのKeynoteとiPhoneのRemoteの設定等をして開始の時間を待つ。これはなかなかの優れもので、iPhoneの画面でKeynoteの画面を無線(この場合はwifi経由)で変えられるである。iPhoneに画面が出るので、なかなかいい。
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講座開始と同時に簡単に自己紹介をした。
実は、この学校とは私は、縁があるのだ。それは35年も前の事になる。
私が進学した高校が甲子園に出場し、私は初めて甲子園に応援に行った。その対戦相手がこの高校であったのだ。
結果は延長10回の裏、三塁牽制悪送球でサヨナラ負けをしたのであった。
これは昨日の事のように、はっきりと覚えている。
『んーと、こんな話は君たちの今日の講座には全く関係のない話ですね(^^)。ですが、できれば覚えておいて欲しいのですよ。私が君たちの年齢のときに、私はまさか自分の母校が甲子園に出場するとは思っていなかったし、将来こうしてその対戦校で授業をするなんて、夢の夢にも思っていなかったわけです。ですが、今回I先生に講座を依頼されたとき、穴見先生のことを思い出したり、対戦のことを思い出したりして
(ああ、これは色々な縁なんだろうなあ)
と思い、直ぐにお引き受け致しますと答えました』
のようなこと話して講座を始めた。
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講座はあっという間の2時間であった。
ダレる事無く、余計な私語がでる訳でもなく、集中して講座を受けていた生と諸君でありました。素晴らしい。是非ディベート甲子園に出場してほしいなあとも語りました。この生徒たちなら、初出場で全国大会出場権を掴む事は十分に可能だと思うのです。
人生はこうやって、さまざまな伏線を用意してくれている。
いま、私が生きているこの瞬間も、私の人生の何かの伏線になっているんじゃないか、いや、誰かの人生の伏線にもなっているんじゃないかなあと思うと、なんだかむずむずしてワクワクする。
私が野球の甲子園でこの高校と繋がったことで、彼らと今度はディベートの甲子園でも繋がりたいなあと思うのでありました。
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コメント
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その九州講座に参加させていただいた一人です。
参加させていただいたからこそ、今の私があると心から感謝をしております。池田さんにも穴見さんにも!
投稿: 岩下恭子 | 2012/09/21 19:36
そうでしたねえ、岩下さんも。
なんだか随分昔の事と思っていましたが、こうしてその後の関わりが続くのは有り難い事です。
投稿: 池田修 | 2012/09/22 10:11