琵琶湖は少し雨が降っている
10/6
今日、友人のお父さんが亡くなったと連絡があった。
その友人は33年前に亡くなっている。
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高校二年の冬に亡くなったその友人のお父さんが亡くなったと、Facebook経由で高校時代の友人から連絡があった。
その友人には妹も居て、その時は小学校二年生であった。
私の結婚式にも来てもらった。お母さんとも友人の命日の前後には電話で連絡を取っている。そこは変わらない。
しかし、あっという間に時間が過ぎて行く。
そう言えばスティーブジョブズが亡くなって、もう一年だ。
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「池田さん、男の仕事は50代からが本番だよ」
嘗ての校長がそう教えてくれた。
私もそこに足を踏み入れた。
半世紀生きて来て、反省ばかりだ。
だが、今ある命を大事にしなければと、友人に私は33年前に教わった。
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琵琶湖は、結構花火が上がる。
今日の花火は、恐らく結婚式の二次会として遊覧船を借り切ってクルーズして、そのフィナーレで打ち上げたものだろう。
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私が若い頃から滋賀に住んでいて、それを見ていたら
恐らく私も同じことをしただろう。
そして、こんなことを思ったはずだ。
(私たちの結婚式で、誰かがこの花火を見て嬉しくなってくれたらいいなあ)
と。
自分たちの幸せを見ず知らずの誰かにお裾分けできることの喜びを思って、琵琶湖に花火を打ち上げただろう。
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いまでもひょっとしたら何かのお祝いで花火をあげるかもしれない。
だけど、今は流石に分かっている。
私や私たちが幸せで嬉しくて打ち上げているその花火も、
この広い空の下では、悲しみに打ち拉がれている人が同時にいるということを。
幸せのお裾分けだなんて傲慢に思うのは、若さ。
(すんませんが、打ち上げたいんで、そこのところはよろしく)
という思いを心の角に持てるようにはなったのは、流石に半世紀生きたということだ。
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琵琶湖は少し雨が降っている。
あちらの世界で、親子で久し振りに会って、
酒を酌み交わしているだろうか。
私もそこに気持ちだけ関わって
献杯しよう。
合掌。
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