日本語では、これを幸せというのだろう
12/24
この年末感の無さはなんなんだろうと年々思う。
子どもの頃は、大掃除、終業式、クリスマス、レコード大賞、紅白歌合戦とどんどん迫ってくる年末にどきどきしたものだが、これがない。大掃除以外は特に年末感を感じなくなったというのもあるだろうが、一方で師走である。
師走と言うのは、普段ゆったりとしている「師」が、この月は忙しく走り回るということからの命名だそうだが、これが実情に合っていない。ふだんのんびりしているのが、12月だけ忙しくするというから年末感があるのだが、いつも忙しく走り回っているいまの教師には、いつもと同じ感覚しかなくなってきているのではないだろうか。
師走は、実質上の死語になっているかもしれないなあ。
クリスマス用のベーコンを作りながら、そんなことを思う。
◆
http://www.youtube.com/watch?v=PZ2gQirjmBs
http://www.youtube.com/watch?v=sdjkm7W9YX8 ここからのBGM
クリスマスイブの夜、私は日頃の行いが祟ってか風邪でヒーヒー言っていた。咳、鼻水、熱とまあ大変。子どもの頃から授業のある時は、週末か休日に風邪を引くのだが、今回もこれ。折角のごちそうの味が鈍ってしまうのは残念だが、ま、仕方が無い。
娘(5)は、サンタさんにお手紙を書くと言う。
『ん? なんのお手紙なの?』
見せてもらうと「さんたさんへ」と封筒に大きく宛名が書かれたその手紙にはこんなことが書かれていた。
「世界中を回って疲れているでしょ。プレゼントをあげるよ」
と。
ああ、相手のことを気遣うことができる娘に育ってくれているんだなあと、心の中で涙する。手作りの腕輪がプレゼントであった。
◆
食事後、娘はケーキも食べないで寝ようとする。歯を磨くと言い出す。
『どうしたの?!』
「だって、寝ないとサンタさんが来ないでしょ!」
http://www.noradsanta.org/ja/track.html
で、確認した所、サンタさんはまだランチの準備中。
『まだ、お昼ご飯を食べているところだよ』
「え! 遅い!」
日頃の自分の食事の遅さを棚に上げて、こういう(^^)。
ところが、
「あ、そうか。世界中を回ってプレゼントを上げるのだから、沢山食べているんだね」
と。なるほど、そう帰結しますか。
「いま、どこ?」
と何回も、こっちが風邪でゴホゴホやっているのに、何回も聞いてくる。
「いま、どこ?」
『まだ、お昼寝しているんじゃないの?』
「えー!遅い。あ、そうか、沢山寝ておかないと配る時疲れちゃうもんね」
人間は、こうして自分が納得するストーリーを作るんだなあと妙になっとく。
「いま、どこ?」
『えーと、ニュージーランドのねえ』
「どこ」
『よし、じゃあ、地球儀で説明しよう』
と地球儀を持って来てテーブルの上に置いて説明を開始。
そのとき、北海道に来たことが分かる。
「うわあ。寝る寝る。もう寝る!」
と布団に飛び込む娘。
◆
勿論、布団の中でも興奮は覚めやらず寝られない。
私は風邪で早く寝たいのに、娘が寝ないことには靴下の中にプレゼントを入れることが出来ない。静かな戦いが小一時間続いた。
私が勝った。
プレゼントをしまい、娘からサンタさんへの手紙とプレゼントを取り出し、お礼の手紙は明日朝書けばいいと思い、ベッドに雪崩れ込んだ。
日本語では、これを幸せというのだろう。
メリークリスマス。
« 眼下に広がる世界を見るような爽快さ | トップページ | 嘘には人を楽しくする嘘と、人を怒らせる嘘があるんだよ »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント