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2012/11/07

「授業に関係のない話をする子どもがいます」

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野口芳宏先生は、子どもの発言には次の四種類があると仰っている。曰く、音声発言、ノート発言、表情発言、音読発言である。まさにその通りである。しかし、私はここの音声発言の中に「呟き発言」があると考えている。

子どもたちは、教師の指導言(指示、説明、発問)に対して、「呟く」。その呟きは、疑問、反論、驚き、喜び、怒り、悲しみなどである。つまり、ぽろっと出てくる呟きには、子どもの本音が出ているのだ。この部分を無視して授業しては深い所に辿り着くことは出来ない。子どもの本音を無視することになるからである。

ただ、教師の側の無視には何種類かの無視がある。

1)子どもの呟きが聞こえないので、結果的に無視。
2)子どもの呟きが聞こえたのだが、その呟きの意味するところが理解できないので、無視。
3)子どもの呟きが聞こえたし、その意味する所も理解できたのだが、その後の対応が出来ないので無視。

ま、どれであっても子どもの側からすると無視されていることには変わらない。

昨日の教育実習生の授業の冒頭で、こんな指示があった。
「慣用句とは、いくつかの言葉が組み合わさって◯◯をもつようになった決まり文句です。何でしょう。」
というものである。

◯◯には、「意味」を入れさせたいという発問である。
これを授業で読んだ所、教室では
「文句?」
「文句?」
「文句!」
と呟きが広がった。
教師は、◯◯を考えさせたいが、子どもは文句に注目したのである。つまり、フォーカスが割れたわけである。

この状況で実習生は、2)を選択した。(後で確認した)
非常に勿体ない。
『文句が気になる? ああ、君たちひょっとして親に言われている?「いちいち文句を言うのではない!」とか。そうだねえ、その文句だねえ。だけど、この場合はね〜』
と子どもの呟きを拾って、解説をし、授業で扱う文句とは違うことを説明すれば、授業は深みを増したはずだ。

「授業に関係のない話をする子どもがいます」
と教師が困る場合、

1)子どもが本当に授業と関係のない話をしている。
2)子どもは授業に関係のある話をしているのだが、教師にはその関係が見えない。

の二種類がある。1)の場合の原因の殆どは、授業がつまらないであり、子どもには責任はない。2)の場合、その繋がりを説明するのは子どもの仕事だが、なかなかそうも言えない。だから、教師がその繋がりを発見して、授業の流れに押し込んであげる必要がある。

それが、今回の「文句」のことなのだ。
ここが出来るようになると、授業が面白くなるのだ。時間はオーバーするけど(^^)。

『「馬が合う」の絵を描きなさい』

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今日は教育実習の訪問指導であった。実習生の授業は児童に助けられて、可もなく不可もなくというもの。子どもが落ち着いているので、そこに依拠して流れて行く授業であった。慣用句の授業。小学校4年生だ。

授業後の指導でその事を話した。
授業として成立しているかどうかと聞かれれば、まあ、教科書と子どもたちのお陰で成立はしているが、面白くない。読めば分かることを一つ一つ教えている感じだ。教育実習生の授業としては、及第点だとは思うが。子どもがお付き合いしてくれている授業であった。

例えば、「虫の居所が悪い」という慣用句を使って単文を作れという指示があった。子どもたちは辞書(これが凄い付箋だらけの辞書で、日頃のご指導のようすが分かる辞書だった)を使って意味を確認して、例文を作っていた。だから授業は成立している。

だが、私はつまらないと思う。
授業後の指導の時間に実習生に聞いてみた。
『この虫は何という名前の虫ですか?』
「え?」
カブトムシのはずもないし、かといっててんとう虫ということでもない。
しかし、そんなことを疑問にも思わないであろう。

これはちょっと大きな辞書を見れば分かる。『大辞林』には、このようにある。
「人間の体内にいて、意識や心理状態を左右すると考えられていたもの。潜在する意識や、感情の動きをいう。」
だから、insectではないのだ。このことを分かっているといないとでは、説明の質が違う。
子どもはこんなところに疑問を持たない。だからこそ先生が疑問を投げかける。そうして子どもたちを巻き込む。

「居所が悪い」ということであれば、どこにいれば良いの?ということを聞くこともできる。子どもごとに違うだろう。これを交流しても面白い。

これをやっておくと、次に扱う「馬が合う」という慣用句をやるとき、子どもたちは
(馬って言うけど、馬なのか?)
と思うだろう。また、
(合うっていうけど、何?)
とも思うだろう。

私は実習生にこういう指示を出した。
『「馬が合う」の絵を描きなさい』
である。
絵がうまく描けないということなので、馬と言う漢字を使って説明していた。曰く、馬の漢字の上に、また馬を重ねるようなものである。

『ブブー。間違い』
「え!」
『それでどんな意味になるの?』
「だから、馬と馬が気が合う?」
『ブブー。合うだから確かにAとBとが合致するという意味だが、AとBは、馬と馬ではない』
「うーん、人ですか?」
『正解。馬と人の相性である。人と馬が合うか合わないかから始まって、他に転用されているのである』
「なるほど」
『だから、今風に作り替えることをさせても面白い。例えば、鉛筆が合うとかいうのもあっていいのだ』

子どもとの関係が上手く作れている実習生である。だから、一見授業はうまくいっているように見える。だが、実際は子どもと教科書のお陰で流れているだけで、面白くはない。

『どうだ。もう一回授業がしたくなったろ? 子どもたちに対してごめんなさいと思うだろ』
「はい」

彼は明日もう一度説明をし直すであろう。
教材研究の大切さを学んだことであろう。

2012/11/05

凄い。 説明文が物語文になっている

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http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=cBlRbrB_Gnc

凄い。
説明文が物語文になっている。
物語で説明している。
こういう授業を作ってみたいなあ。
ニュージーランド航空の客室乗務員の説明。

授業における指示の語尾

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教育実習から帰ってくる学生が
「実習先で、池田先生に指導されたことと同じことを言われました」
ということはよくあるのだが、今年はこの言葉が多い。
子どもに対する指示の言葉だ。

学生達は、つい児童に
「お願いします」
とお願いしてしまう。指示なのだから、お願いではないのに、お願いしてしまう。

お願いであれば、
「イヤだ」
という子どもの反応は認められることになる。だってお願いなのだから。しかし、指示はお願いではない。どんな言葉があるだろうか。

授業における指示の語尾には、

1)    しなさい。
2)    する。
3)    すること。
4)    しよう。
5)    しましょう。
6)    しませんか?
7)    してくれますか?
8)    おねがいします。

学生達は、6)、7)、8)でやってしまうのだ。それでは指示にならない。

丁寧に行きましょう

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後期は月曜日の一限はないのだが、今日は特別に行う。
国語科教育法で模擬授業を行うので、その事前指導だ。
学生達が書いて来た学習指導案を見てあれこれ指導をする。

さっと見た感じは可もなく不可もなくである。
『これは、オリジナル? それとも何かの追試?』
と聞くと、学習指導書にあるものをもってきたという。
『ああ、やはり可もなく不可もなくで、このままで授業はできるが、面白くはないなあ』
と。

いや、学習指導書が悪いのではない。学習指導書は、対象としている生徒や先生がもの凄く多く、そのレベルもまちまちなので、どうしても鋭く書くことができない。ぼわっとしたものになってしまうという構造上の問題がある。学生達も、具体的な学習者の姿が特定できないのでこの傾向は加速する。

また、どうしてもコナン型の授業作りになってしまう。古畑型にならない。説明を多くして、最後に結論を述べる形の授業になってしまうのだ。結論を述べ、その根拠を捜す授業にならないのだ。

さらに、エピソードが不足し、小さなクイズや活動などのアウトプットを意識した授業構成を作り出せない。先生の有り難いお話を聞かせるというスタイルになってしまう。その辺りを指摘し、具体的にはどの本を読んで、どう改良する可能性があるかを解説。

さ、本番は一週間後だ。しっかり。

その後、三回生ゼミ。
ゼミのプロジェクトの進行具合を私の方から報告。
学生達が行う部分と私が請け負う部分があって、学生達の方はほぼ終わっているので、あとは私が請け負っている部分が上手くいくかどうかが一つの鍵になっている。

この部分が上手く動き出したことを伝えた。
学生達は狐につままれたような顔。
実感が伴わない様子。
ま、私もそうだけど。
だけど動き出したと思う。
凄い。

後半は、教育実習の報告の続き。自慢と失敗談を語らせる。
具体例があるので、どこが良かったのかまた問題だったのかをはっきりと解説できる。
同じ教育実習を体験して来ている学生達。
学校や子どもは違っていても、実習という部分で大きくうなずくことの出来る内容であった。だから、解説もすっと彼らに入る。

良い感じだ。
だが、こう言う時に事故や事件が起りやすい。
丁寧に行きましょう。

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