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2013/02/01

『新・コピーライター入門』 読了

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私は生まれ変わりは信じないですが、生まれ変わることがあったらもう一度教師になりたいと考えています。国語の教師に。ですが、もう一つ選べるとしたら何を選ぶかと言えば、多分この仕事を選ぶでしょう。コピーライターです。

『新・コピーライター入門』(小森洋支 中村卓司監修 dentsu)は、実に面白い本でした。これまでコピーライター本は何冊か読んでいるますが、この本はこれまたいい本でした。新人コピーライターが仕事に挑戦して行く過程を追いながらコピーライターがすべき仕事とその周辺の用語の解説を第一章にし、その後具体的な例を出しながらこの仕事を説明して行きます。

教師と言うのは、大人を子どもに育てることを主に学校教育を通して行うことを生業にする人たちのこと、と私は定義しています。その仕事のうち、勉強に関して言えば、「子どもと学習を出会わせる仕事」が教師の仕事だと言えるでしょう。

コピーライターの仕事を説明するにあたって18pにはこんな下りがあります。

「つくった人にはつくった人のこだわりや自信がある。買う人には買う人の意見や好みや事情がある。コピーライターはそのちょうど真ん中にいる。つくった人の味方になることもできるし、買う側の一人になって生活者の目で商品を見せることもできる。両方の立場に立って、よいコミュニケーションを成立させるのがコピーライターの役目だ」

です。
これ、子どもと学習と教師の関係で読んでもそう大きな間違いではないと思うのです。



この本の中で、コピーライターがすべき仕事は大きく二つあると書かれています。

What to say
How to say

この二つだというのです。そして、前者が圧倒的に難しいと言うのです。ここが決まればあとは訓練でなんとかなるというのです。他のいい方もしています。野球でストライクを投げられるようになるのが前者で、カーブだチェンジアップだと球種を増やすのが後者だというのです。とても分かりやすい。

授業で何を伝えるのかを考えて絞るのはとても難しく、かつ重要。そしてその後にどう伝えるかを考えるわけですが、これは確かに「ネタ」ということで仕入れることはできます。前者が難しい。



また、コピーライターが常に
(これでいいんだろうか?)
(私には出来るのだろうか?)
と省察しながら仕事をしている姿が感じられてこれも、優れた教師にとても似ているなあと思う訳です。

(これで絶対に間違いがない)
なんて思いながら授業をしている先生は、まあ、居ないと思います。いや、そういう思いを持って教壇に立たないと授業は成立しないのですが、もう一人(本当にこれが最適なのだろうか)と批判的に見ている人間が自分の中にいないといい授業はできません。似ています。



さらにCMは、一瞬で勝負します。新聞に載っている広告は、広告を読もうと思っていない人を、一瞬で掴んでその商品へと導きます。新聞記事を読もうと思っている人、テレビのCMの時間はトイレの時間と思っている人を一瞬で掴んで、広告の世界へと「拉致」します。

学校の授業は、基本的に親達が「学校に行ってらっしゃい」と強制的に送り出してくれます。そして、チャイムが鳴ったら席に着いているようにという指導があり、教師は荒れた学校でなければ子ども達がきちんと座っている所で授業を開始できます。

しかし、子どもの側から見たらどうでしょうか? 勉強したくて学校に来ている子ども達って日本中にどの位居るのでしょうか。数%ではないかと思うのです。友だちに会う、好きなこの顔が見たい、給食が食べたい、クラブ活動をしたいというのが主たる目的だと思うのです。

そうだとすれば、主たる時間ではない授業の頭で、子ども達を一瞬で掴んで授業の世界に「拉致」することの出来る、言葉や授業内容を持つことが教師にとっては極めて大事なことだと考えます。彼らはおつきあいで授業に参加して「くれている」という感覚を教師は持った方がいいと思うのです。



私の悪い癖で何でもかんでも教育や授業の世界に引きづり紺で考えてしまうのですが、それにしてもとっても良く似ていると思いながら読みました。お薦めです。

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