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2013/03/12

一泊二日の淡路島ゼミ合宿から帰って来た

3/12

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一泊二日の淡路島ゼミ合宿から帰って来た。
3、4回生合同のものである。

卒業を控えた4回生の参加は嬉しいものだ。
引っ越しや就職のあれこれで参加できないものも居たが、これは仕方が無い。本人の本意とは違う所で動くものは仕方が無い。



ゼミ合宿では、三回生の卒論の目次案件等を中心に行った。今回が一回目。
私の卒論指導は、この目次案指導が中心である。目次案のレベルで論が繋がっていないものは、本文で繋がるはずが無い。既知から道へや、概念レベルの統一や、用語の統一等多くのことが指導できる

今回は一人A4一枚の資料を用意し、一人15分程度の検討で行う予定であったが、大幅に延びながらの指導となった。一人最低30分はやっただろう。発表者が発表し、三回生が意見をいいと進む。

ただ、今回は四回生がいたので、随分助かった。私が言うべき所を、最初に四回生がガツンと行ってくれるので、地ならしは終わった状態での私のコメントとなった。



現状の分析
問題の発見
問題の解決
解決の評価

ざっくりと言えば、このストーリーで論文を書かせたい。
しかし、流石に目次案を作ったのが一回目の3回生は、こうなならない。

1)現状の分析で終わる。

これが多い。いや、分析の手前、現状の羅列だけを書いてくる目次案が多い。これは、レポートである。現状を分析し、どこに問題点があるのかを示さなければならない。

2)解決の評価の規準が示されていない。

例えば、「子どもが教師との信頼関係を得た」ということを判断するためには、「子どもが教師との信頼関係を手に入れたかどうかチェックマシーン」(声はドラえもん)が提示される必要がある。ところが、これがない。

ここは実に難しい。
学習の時代は、何かを計るためには最初にその「はかり」は用意されていた。体重なら体重計、握力なら握力計、50m走ならストップウォッチというように。そのはかりを使って計測すればいい。ところが、「子どもが教師との信頼関係を得た」かどうかのはかりは、ない。いや、あったとしてもそれをきちんと使いこなすには大変な勉強が必要になる。

このはかりは、妥当性と信用性をクリアしてないと使えない。しかし、これを作らないと話にならない。

3)用語の定義

このストーリーの前提だが、自分が論じたい言葉の定義が曖昧のままと言うのも多い。信用と信頼の違いを説明させてもできない。自分の目次案にこの言葉があるのにだ。自分が日常で使う言葉をそのままの感覚で論文に持ってこようとしてしまう。



また、気になった言葉がある。
「良くわからないので、ざっくりと作ってきました」
という言い方をするゼミ生を散見したことだ。
私は怒るのではなく、指摘した。

『懸命にやってきて、結果的にざっくりになったというのであれば、それは仕方が無い。まだまだ実力が無いのだから仕方が無い。しかし、最初からざっくり、と言うなの適当でやってきて、見て下さいというのは話が違う』

『そういうのであれば、見ない。というのが世の中の考え方だ。ざっくりやっても才能を感じられるものであればいい。そういう世界もある。しかし、今回見た感じはそうではない。上手く行かなかった、分からなかったことを「ざっくり」という言い方で逃げている。私にはそう思えた』



「させていただく」も気になった。

「いま、◯◯をさせていただいていますが、」
「この教材をさせていただいています」

のように使うのだ。私は思わず発表を止めた。

『いまの「させていただく」は、誰に敬意を払っているんだ?』
と聞くと、答えられない。
『なんとなく敬意を払うっぽい言葉を使うことで、その場を誤摩化していないか?』
「..........」
『そういう言い方をしていると、本当に敬意を払う人に使えなくなる。なんとなれば、使わなくていもいい場所で使っている「させていただく」と同等になるから、結果的に本当に敬意を払う人を馬鹿にすることになるからだ。分かるか?』
「はい」

こういうところは私のゼミ生は素直で、すぐに直そうとする。
しかし、口癖になってしまったものを直すのは大変。
本当はこのこの口癖にはもっと前に気がついていたので早く指摘してやりたかったのだが、タイミングが合わずにできなかった。合宿は時間があるのでこういうのを丁寧にできる。



ま、でもなかなか頑張ったゼミ生達であった。

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