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2013/04/24

『弱くても勝てます 開成高校野球部のセオリー』(高橋秀美 新潮社)読了

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『弱くても勝てます 開成高校野球部のセオリー』(高橋秀美 新潮社)読了。

実に面白かった。一日で読んでしまった。仕事があるというのにf(^^;。

開成高校といえば、開成高校である。ディベート甲子園にも参加している、東大合格者数一位である開成高校である。そこの硬式野球部の記録である。野球にあまり詳しくない人でも、いや、詳しくない人の方が面白いかもしれない。

頭が良くて運動がさほどでもない生徒たちは、野球なら勝てる可能性があるということを論理的に説明し、指導して行く高橋監督の指導を受け入れて、野球そのものを哲学的に見直し、自分たちの野球を作って行こうとする。そのドキュメントである。

通常、新人はプレーヤーであることを求められる。野球の野村監督は、選手の晩年時代に、キャッチャーをしながら監督もしていたことがある。これからも分かるように、選手が先で、時々選手をしながら監督。最後は、選手を引退してコーチをやり、監督になる。

ところが、教師は、一年目から授業をするプレーヤーでありつつ、同時に学級担任という監督もしなければならない。これは極めて特殊な仕事である。にも関わらず、学級担任という監督の仕事、経営の在り方を殆ど学ぶことなく、一年目から担任になる。恐ろしいことである。

この本は、野球の監督と選手の話であるが、その監督も選手も特殊である。尋常ではない。ピッチャーに「ピッチャーになろうとするな!」とかの指示が試合中に入る。ヒットを打っても怒られる。思い切り振り切って三振したら褒められる。通常の野球では考えられない。

しかし、開成高校の「野球」では、実に理にかなっているのだ。

この自分の子どもたちにとって理にかなっている指導、経営、監督をすることが、担任には大事。他のクラス、他の学校を参考にすることも大事ではあるが、目の前の子どもたちをどう捉えて、そこに適切な指導を行うことの方が、さらに重要。本書を読むとそのことがよく分かるだろう。

学級担任論の授業の参考図書に指定したい本である。

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