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2013/04/18

「先行研究」がわかりません

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四回生には、卒論指導をしている。四回生が口を揃えて言うのは、「先行研究」がわかりませんということだ。自分の思いつきを書けば良い、感想。先生からテーマを与えられて書くレポート、小論文。これとは全く違って、自分で問いを発見する論文。ここが分からないのだろう。

自分が対象にしたいテーマがある。そのテーマに付いてどこまで解明されているのかが分からなければ問いは立てようがない。もう既に解明されている問いは、論文にする必要がない。

私は
『兎に角、自分がテーマにしたいと言う分野の本を10冊読みなさい』
と指示を出している。ところが、これをきちんとすることなしに、「良くわからない」と言い始めるのだ。これは毎年のこと。

効率よくと言えば格好いいが、実は手抜きだ。
読んで書いて、読んで書いてをしていれば、何かが見えてくる。
それを手がかりにして前に進むしか無いのだが、なんとなくだが、学生たちは先生が答えを知っていて、その答えを私から引き出そうとしている感じがある。

私が答えを知っているのであれば、それはその段階で「問い」ではない。ここの感覚が中々理解されないようだ。

そこで、私は私が書いた論文を持って来て、具体的に先行研究とは何かを説明する。私の論文の該当箇所を読ませ、その論文がどういう構造になっているのかを理解させる。で、彼らの結論。
「読書量が足りませんでした」
その通り。だから、最初から言っているじゃん(^^)。There is no ... って知っている?と聞きたくなるこのごろです。

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