子どものを理解する為の「扉」と「鍵」
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(長文注意。ま、いつものことですがf(^^;)
今日の二回生ゼミは、下記の小学校一年生の子どもの書いた詩を読
発表者は三番手。三人でこの詩を読み込んで、ゼミ生相手に読解の
◆
ともだちってすごい
一馬
1. きょう ともだちから でんわがあった
2. 「しゅくだいしてから いくし まっててや」
3. とゆわはった。
4. 「ふん。」
5. とゆった。
6. ともだちって すごいなあ。
7. ぼくはダメダメ、
8. ぼくはぜったいダメダメです。
9. ぼくは
10. おかあさんがしゅくだいしいやとゆったけど
11. ぼくは しなかった。
12. ともだちはえらいねえ、
13. ぼくも がんばろっと。
14. おかあさんが
15. 「ぜったいダメな人間なんていない。」
16. とゆった。
17. ぼくもがんばる。
◆
目的は、「この詩を通し、一馬くんの変化や成長を意識し考えるよ
発表者たちの最初の発問は、4.行目にある「ふん」である。
「一馬くんの「ふん」と言う言葉の裏について、そのままの位置で
だが、発問の後、ゼミ生の発表を聞き取りながら説明するその言葉
『で、本文のどこにその根拠があるの? 言ってないでしょ? 敢
何回もこれを言う。
『私が授業者なら、この「ふん」は次の4つのうちのどれでしょう
と解説を加える。
◆
発表者による二つ目の発問は「13.「がんばろっと」が、17.
でもまあ、いい所に目がいき始めている。
ファシリテートを意識しているので、一時一事の原則が守られてい
◆
全部が終わって残りの13分で私の解説の時間となる。
私の最初の発問は、
『この詩が連絡帳に書いてありました。あなたは担任の先生です。
である。学生たちに書かせて、私ならこう書くという例を示す。私
『いいところがみっつあるね。いいともだちだね。いいおかあさん
と言って始める。
『この詩に描かれている一馬君の真意、つまり「裏」に入って行く
「3.にゆわはったとあります」
『そうだ。これは尊敬の表現では?』
「でも先生、京都では普通にいいませんか?」
『それもある。しかし、saidの意味で使われている言葉をこの
「なるほど」
『その作品の中に入って行くには、その作品の中に入って行く扉を
「……」
『この作品はその扉と鍵がはっきりと書かれている作品である。分
「……」
『扉は、何回も繰り返される言葉であることが多い。また、鍵はそ
『さ、そうだとしたら、他にある扉と、鍵はなんだ? 捜せ』
と指示を出す。
もちろん、ぼくが扉で、ぼくは、と、ぼくも の違い鍵として読む
また、7.ダメダメ 8.ダメダメですを扉として、15.の「ダ
12.でともだちはえらいねえ、と思えたから、13.でぼく「も
と私の分析を紹介した。
『そう読んだので、「いいところがみっつあるね。いいともだちだ
◆
子どものを理解する為の「扉」と「鍵」。
二回生ゼミは、子どもの詩を使ってこの「扉」と「鍵」を発見する
勿論、話し言葉、身振り、癖、服装、表情などさまざまなところに
その為にフィールドワークを行い、経験を積むのだし、
こうしてレッスンを行うのである。
身につけなければならないことは、たっっっくさんある。
勉強しましょう。