「どうらく息子」
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やっぱり、落語だよなあ。
◆
「寄席芸人伝」「タイガー&ドラゴン」「ちりとてちん」を楽しんだ私が、今楽しんでいるのが「どうらく息子」だ。作者の尾瀬あきらさんは、「夏子の酒」を描いている。丁寧に日本酒の世界を描いているいい作品。で、いま描いているのがこの「どうらく息子」だ。
有名な言葉がある。
「落語とは、人間の業の肯定である」
立川談志の言葉だ。
歌舞伎は人間のカッコいい所を描いている。だけど、落語は人間のみっともない所を描いている。だが、そのみっともない所を、それでいいんだというのが「業の肯定」なのだと思う。
そこに惹かれる。
ダメな人生を歩んでも、それでいいんだと言われる。
それでもいいんだと言われる。
そこが落語の根っこなんだと思う。
◆
前期の授業最終日に、車のHDに貯めてある音源から一つを選んだ。
そうしたら、それは小さん師匠の「時そば」であった。だいたい、この一席を伺っている間に大学に到着する。
改めてこの話の伏線の妙にうなる。
何気ない言葉がきちんと伏線になっている。
これ、とんでもないネタだなあと思うのだ。
◆
で、「どうらく息子」の一巻の第一話が、この「時そば」なのだ。
小さん師匠の「時そば」を聞いた日に、この「どうらく息子」を読み始めたのだ。うーん、素晴らしい。
ま、教育的に言えば「正統的周辺参加を学ぶ機会になる」とか言うことも出来るし、実際そうなのだが、落語の世界をたっぷり味わえる名著だなあと思う。あ、名マンガか。
現在出版されている第七巻まで、あっという間に読み終えてしまった。
楽しみに第八巻を待ちましょう。
お薦めのマンガです。
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