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2013/05/31

子どものを理解する為の「扉」と「鍵」

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(長文注意。ま、いつものことですがf(^^;)

今日の二回生ゼミは、下記の小学校一年生の子どもの書いた詩を読解した。
発表者は三番手。三人でこの詩を読み込んで、ゼミ生相手に読解の授業に挑戦であった。



ともだちってすごい 
          一馬

1. きょう ともだちから でんわがあった
2. 「しゅくだいしてから いくし まっててや」
3. とゆわはった。
4. 「ふん。」
5. とゆった。
6. ともだちって すごいなあ。
7. ぼくはダメダメ、
8. ぼくはぜったいダメダメです。
9. ぼくは
10. おかあさんがしゅくだいしいやとゆったけど
11. ぼくは しなかった。
12. ともだちはえらいねえ、
13. ぼくも がんばろっと。
14. おかあさんが
15. 「ぜったいダメな人間なんていない。」
16. とゆった。
17. ぼくもがんばる。



目的は、「この詩を通し、一馬くんの変化や成長を意識し考えるように指示する」である。勿論、これは授業の後に指導。「この詩を通し、一馬くんの変化や成長を理解し、説明できるようになる」に変更。そうでなければ、授業が成功したのかどうなのかが判断できない。

発表者たちの最初の発問は、4.行目にある「ふん」である。

「一馬くんの「ふん」と言う言葉の裏について、そのままの位置でまずは自分の意見を考える」その後グループディスカッションへとというものであった。ここでいう「裏」とは、真意のことであろう。ファシリテーションの本を紹介してあげたのだが、自分たちで買って勉強をして挑戦していた。それはよし。

だが、発問の後、ゼミ生の発表を聞き取りながら説明するその言葉が、自分の考えの巧妙な押しつけであり、本文そのものに根拠を求めた言い方ではなかった。私はそこでストップを掛けて、

『で、本文のどこにその根拠があるの? 言ってないでしょ? 敢えて言えば、根拠は私でしょ。それだったら、子どもが、「ぼくはこう思う」と言われたら、どっちも根拠が本文に求められていないと言うことで、同一の次元になってしまう。そう言うとき、多くの先生は「ま、◯◯くんの考えもいいと思うけど、これは先生の考えが良くない?」と他のクラスの子どもたちに同意を求めて、根拠なしのままで先生の意見を押し付けるという授業になってしまいがちなのだよ。本文に根拠を求めよ』

何回もこれを言う。

『私が授業者なら、この「ふん」は次の4つのうちのどれでしょうか? 1)怒り 2)驚き 3)ねたみ 4)尊敬として、選ばせたな。先ほどの君たちの発問は、どうでしょうか?というもので、これはオープンエンドと言う質問の仕方。簡単に言えばどうでも答えられてしまう。私のはクローズドエンド。ま、ハイとイイエで答えられるもの、答えが限定されるものだ。こうすると、議論がしやすくなるでしょ』

と解説を加える。



発表者による二つ目の発問は「13.「がんばろっと」が、17.「がんばる」の気持ちの変化について、自分の意見を考える」であった。これも発問になっていないf(^^;。「なぜ、このように変化したのか?」とすべきであると指摘。また、発表者が考えたこたえは、ややどうなのよ?というものであった。

でもまあ、いい所に目がいき始めている。
ファシリテートを意識しているので、一時一事の原則が守られている。その結果、ゼミでの議論も活発になり、発表者の解釈に対して、異論が唱えられるなど面白くなってきた。



全部が終わって残りの13分で私の解説の時間となる。
私の最初の発問は、
『この詩が連絡帳に書いてありました。あなたは担任の先生です。赤ペンでコメントをします。さて、なんて書きますか?』
である。学生たちに書かせて、私ならこう書くという例を示す。私なら、

『いいところがみっつあるね。いいともだちだね。いいおかあさんだね。がんばるってきめた一馬くんもいいね、だ。さて、ではどうしてそういえるのか。この詩の中に入って行く。私の読みがおかしければ、質問や反論は多いに受け付ける。ただ、10分しかないので、時間切れになったら、掲示板に書くこと。いくぞ』

と言って始める。

『この詩に描かれている一馬君の真意、つまり「裏」に入って行くのに「ふん」というところに着目したのは、いい。では、君たちは1)怒り 2)驚き 3)ねたみ 4)尊敬のうちのどれだと思うか? (全員に手を挙げさせる)。私は4)があると読んだ。なぜか?』
「3.にゆわはったとあります」
『そうだ。これは尊敬の表現では?』
「でも先生、京都では普通にいいませんか?」
『それもある。しかし、saidの意味で使われている言葉をこの詩の中に見ると、5.ゆった 10.ゆった 16.ゆったとあり、ゆわはったは他には無い。だとすれば、ここは尊敬の意味を込めて行っていると考えることが出来るだろう』
「なるほど」

『その作品の中に入って行くには、その作品の中に入って行く扉を見つけ、その扉を開ける鍵を手に入れることが大事だ』
「……」
『この作品はその扉と鍵がはっきりと書かれている作品である。分かるか?』
「……」
『扉は、何回も繰り返される言葉であることが多い。また、鍵はその繰り返される言葉で一部分が違っている言葉であることが多い。今の例でもそうだ。ゆったが繰り返されているが、ゆわはっただけ違っている。ゆったが扉で、ゆわはったが鍵だ』

『さ、そうだとしたら、他にある扉と、鍵はなんだ? 捜せ』
と指示を出す。
もちろん、ぼくが扉で、ぼくは、と、ぼくも の違い鍵として読むのである。
また、7.ダメダメ 8.ダメダメですを扉として、15.の「ダメな人間なんていない」を鍵として読むのである。

12.でともだちはえらいねえ、と思えたから、13.でぼく「も」がんばろっと。となれた。そして、15.でおかあさんから「ダメな人間なんていない」言われたことで、ダメダメのぼくは、17.で「ぼくも がんばる」と決意できたと読める』

と私の分析を紹介した。
『そう読んだので、「いいところがみっつあるね。いいともだちだね。いいおかあさんだね。がんばるってきめた一馬くんもいいね」とコメントするだろうと言ったのだ』



子どものを理解する為の「扉」と「鍵」。
二回生ゼミは、子どもの詩を使ってこの「扉」と「鍵」を発見するレッスンを行っている。
勿論、話し言葉、身振り、癖、服装、表情などさまざまなところに、この「扉」と「鍵」があり、それを見つけ出し、使えるようになることが大事になってくる。

その為にフィールドワークを行い、経験を積むのだし、
こうしてレッスンを行うのである。
身につけなければならないことは、たっっっくさんある。
勉強しましょう。

◆ 

因に、扉と言うメタファは、私の恩師竹内常一先生がおっしゃっているものです。鍵というのは、そこから発展させ、ドラクエのテイストを入れた池田のメタファです。できれば「アバカム」の呪文を手に入れたいものです(^^)。

2013/05/29

やるでしょ。万葉人(^^)

5/28

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本日は、オムニバス授業。「多文化の理解と言語」という人間発達学部の三回生全員が受ける授業。私の担当は「日本語の魅力」。これを90分で講じるのだから大変。

授業の構成は、

話し言葉の特色、書き言葉の特色、日本語としての特色。この三つに分けて具体例、問題演習を交えながらの授業であった。

例えば、話し言葉の特色では、オノマトペを取り上げた。
『うんこ、うんち、うんにょでは、どれが一番固い?』
と下品ではあるが分かりやすい質問。
183人の学生のうち99%がうんこが一番固いと答える。
『では、うんちとうんにょでは?』
と聞くと、うんちが99%柔らかいという。
『なるほど。では、その理由を説明できる人? 隣近所で話してごらん。1分待つから』
と指示。
これは発言はでにくい。
まー、これは難しいよねえ。

『じゃあ次の問題。うとうとと、うつらうつらの違いを述べよ』
同じように話し合わせたら、今度は手が上がった。
『を、どう違うんだ?』
「はい。うとうとは左右に揺れて、うつらうつらは前後に揺れます」
教室爆笑(^^)。
『ま、違いを表現しようとする挑戦は良し。拍手!』
という感じで進む。

書き言葉では、表意文字を使っていることの凄さや、漢字にいろいろな読み方があることの面倒臭さと魅力について気がつかせたかった。

『太郎って書いて、なんて読む?』
「たろう」
『だよね。普通は。だけど、これはじろうと読んでも、いいのだよ。命名的にはもんだいない。ま、読みにくいけどね。天使と書いて、アンジュとかね。なんでこんなことが起るのだろうねえ』
「......」
『本気って書いて、なんて読む?』
「マジ」
『そう。そう読むマンガとかあるよね。これはok?』
「ok」
『じゃあ、これはなんて読む。恋水。どうぞ話し合って』
「ガヤガヤガヤガヤガヤ.....」
『これは、今から約1500年前に作られた我が国最古の歌集、万葉集にあるんだよ』
「ガヤガヤガヤガヤガヤ.....」
『そう。そこのあなたが言った言葉です。なみだって読むんだね』
「ええええええ!」
『やるでしょ。万葉人(^^)』
『だから、本気でマジも、太郎でじろうも、まあ、万葉集の流れを汲んでいるといえばいえるのかねえ。あ、でも、太郎はたろうがいいけどね』

ってな感じで進める。

日本語の魅力というが、私は
(ああ、日本語って面白いんだなあ)
と思ってほしい。
人間発達学部の卒業生は、教育に仕事を得るものが多い。また、外国人と触れる仕事に就くものも多い。だから、子どもたちには日本語の面白さを語れる教師になってほしいし、日本語の類義語、オノマトペにある微妙な違いをしっかりと説明できるスピーカーになってほしいと思うのです。

90分があっという間の授業。
もっともっと話してやりたいというとこで、今年もおしまい。

参考図書
『クイズ にほん語の大冒険〈1〉文字』(池田修監修 教育画劇)
『クイズ にほん語の大冒険〈2〉言葉』(池田修監修 教育画劇)
『クイズ にほん語の大冒険〈3〉表現』(池田修監修 教育画劇)

http://www.amazon.co.jp/クイズ-にほん語の大冒険〈1〉文字-池田-修/dp/4774610410

http://www.amazon.co.jp/クイズ-にほん語の大冒険〈2〉言葉-池田-修/dp/4774610429

http://www.amazon.co.jp/クイズ-にほん語の大冒険〈3〉表現-池田-修/dp/4774610437

2013/05/27

ダガ、国語の授業だ

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ゼミは、6/1のゲームのβ版公開に向けての準備と確認の作業を進める。β版の完成が5/30ということなので、テストの時間が二日間となったが、それを見据えてスケジュールの調整をした。なんだか、理科系の研究室のようだ(^^)。

授業の方は、学習ゲーム。たほいやを反転授業で行う。また他の学習ゲームも紹介。私が考えている「国語科を実技教科にしたい」という思いの中心の一つになる学習ゲームだ。

「うあああ」
「やられた」
「やった」
「うそ〜〜〜」
「でへへへ」

まるで国語の授業場面ではない(^^)。
ダガ、国語の授業だ。
面白く国語の授業に生徒がのめり込んでいく仕掛けを用意するのが、教師の仕事。

授業が終わってから、学生たちがまだ授業の続きの話を続けている。
授業が授業の中ではおわれないで、まだまだ彼ら同士でその話を続けている。
授業の余韻を楽しんでいるようだ。

その姿を見るのが私の喜びだ(^^)。

2013/05/26

ちょっと前なら図鑑に載っていた写真

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自分でいうのものなんだが、これ、ちょっと前なら図鑑に載っていた写真じゃないかと思うのだ。

蜜を吸うのに熱中していたのもあるが、28mmでギリギリまで近づいて撮影。F 2.8で、接写。トリミングなし。加工なし。そのままパシャリとした三枚です。
新型GR。
素晴らしい。

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