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2013/10/26

実習生の授業で弱いと思う部分は、割と共通している

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教育実習訪問指導だん。
午前と午後と二校を回る。授業を見てその後1時間指導。
国語と体育の授業であった。

授業の事実に基づいて、その時の授業者の実習生の意図と、実際と、子どもの反応とを確認しながら、何が起きていたのかを確認しながら検討する。

サッカーの解説者が、ゲームの前半が終わった途端に、
「前半の見所はここでしたねえ」
と言いながらゲームを振り返り、パスの目的や、フォーメーションのあり方等について解説をするのを見ていて、
(すげーなー。良くわかるな)
と思っていたこともある。

が、考えてみれば当たり前。
私だって、授業が終わってから直ぐに1、2時間はその授業について事実を元に解説し、改良点を指摘することは出来る。ま、餅は餅屋ってことだ。

実習生の授業で弱いと思う部分は、割と共通している。

1)最初の指示が甘い。
2)子どもの話をきちんと聞かない。
3)質問の受け答えが甘い。

今日の二つの授業でもこれが見られた。

1)最初にこの授業で目指すことは何か。また、その為にすることは何か。守らなければならないことは何かなどの指示をするのだが、これが甘い。本人はしなければいけないと思っていて、やろうとしたり、やったりしているのだが、甘い。

指示も甘いが、その指示がきちんと届いているのかの確認が甘い。また、出来ていない時にやらせ切ると言う部分が甘い。

2)聞いているのだが、背中で聞いている。背中で聞いてすぐに黒板に書こうとしている。書き始めている。子どもの発言を忘れない為にすぐに書こうとするのだが、それがダメ。ちゃんと子どもを見て聞いて、それから書かねばならない。これが出来ない。「子どもの発言を忘れてしまうのが怖い」という。大丈夫、そういうのは聞き直せば良い。まずちゃんと来聞くことが大事。

一方で背中で聞く事も大事。机間巡視の時に子ども達の発言を背中で聞くことも大事。背後家から聞こえてくる本音の呟きを拾うこと。これが出来ないのであれば、ゴルゴ13になるしかない。つまり、「何人たりともオレの背後に立つことは許さない」である。教師の後ろに子どもが来れない位置に立つしか無い。教室の四隅の角である。ここに立って、子どもの様子を観察し、問題があるところに歩いて行くのである。

3)子どもからの質問は受け止めることが出来る。しかし、個人の質問を個人に返している。個人の質問をグループに返している。これはダメだ。作業をしているときの子どもの質問は大きく二つに分けることが出来る。一つは、作業のやり方に関する質問。もう一つは、作業の結果に関する質問。つまり、このやり方で良いのか?とこうなったけど良いのか?である。

前者の場合は、全体の動きを止めて、全体にやり方の間違いが無いかを確認しなければならない。やり方が間違っていては、トラブルが大きくなるからだ。後者の問題はやってみたけど、どうも違うのではないかと言うものである。これは、急ぐ必要は無い。机間巡視の時に子ども達が質問して来たら、その場で簡単に答えておく。そして、子ども達の活動が一通り終わったら、
『さっき、こういう質問がありました』
と言って、机間巡視中にあった質問に対して、クラス全体に返事をする。そうしないと、同じ質問がでるし、その度に答えていたのでは時間が無駄だし、何回も答えているうちに、答えの質が変わってしまうということになりがちである。

授業を進めるための、基礎基本の部分だ。
大学の授業でも教えているので、学生達は頭では分かっているのだが、実際にやるとなると出来ない。

分かると出来るは、こんなにも違うのである。
だが、やるしかない。
しっかり、だ。

2013/10/23

研究入門ゼミでは

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研究入門ゼミでは、来年度のオリターの募集の話と、このゼミで読む本の選定を行った。

オリターとは、本学が伝統的に行っているもので、新入生の面倒を見る先輩たちのことをいう。新入生の一週間をつきっきりで面倒を見る。そういうボランティアである。教師を目指す学生達には非常に良い体験になる。

私が話したのは、利他ということだ。野口芳宏先生の著書に『利他の教育実践哲学』というのがあるが、その利他だ。

仕事と言うのは、利他に向かって行うものだと思う。そして、教育はその象徴的なものであると思う。児童、生徒、学生のために行う。そして、社会のために行う。オリターは、その良い勉強になる。そのことを話した。

もう一つ、臼井直人さんのことも、話した。
個人的なことなので、話すのはどうかと考えたが話した。
彼こそ、利他の先生であったからだ。
学生達のことを一番に考えていた先生であった。
大事な授業の時間ではあったが、だからこそ、話したかった。

本の選定は、学生達に希望を聞いて、それも考慮に入れた上で6冊示した。本の目次と前書きの部分を印刷し、私がブックトークをして、本の実物を回して選んだ。
私としてはどの本を選んでもいいので、学生達に一人二冊選ばせて、決定した。結果は、この本になった。

『いちばんやさしい 教える技術』(向後千春著 永岡書店)
『AさせたいならBと言え』(岩下修著 明治図書)

この二冊を、後期の一回生の研究入門ゼミで読む。両方とも学生達と一緒に読むのは初めてだ。楽しみだ。

研究入門ゼミを後期から担当するのは、今年が初めてだ。
いままでは、前期に担当していた。
だが、今年は後期。
前期の指導の先生の御陰で、良いクラスに育っている。
これを受けて、私はさらに良いクラスにしたいと考えている。

うしゃあ、やるよ。
やるとも。

2013/10/21

『イノベーションのDNA 破壊的イノベーターの5つのスキル』読了

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『イノベーションのDNA 破壊的イノベーターの5つのスキル』読了。著者の一人のクレイトン・クリステンセンの本は『教育×破壊的イノベーション』に続いて。これもかなりいい本であった。

著者は、10年に及ぶ研究から、イノベーションに必要な力は、5つあることを示した。それは、無関係そうに見えるものを結びつける力、質問の力、観察の力、ネットワーキングの力、実験の力だという。その内一番大切なのは、無関係そうに見えるものを結びつける力であるという。

これが、破壊的イノベーターには備えられていると言うことを、S.ジョブズをはじめとする世界中の数百人、数千人に協力を得て研究を重ねて得られた結果から書かれた本である。

読み終えた私は、なんというかちょっと嬉しい。
私が苦手な部分は、イノベーター型に依拠しているところがあるからだと分かったからだ。イノベーター型と対比されるのが、実行型。本書の中にはこのチェックの問題があるのだが、私は見事にイノベーター型であった。

だから、私は実行型の人とペアを組めた時に仕事ができていたなと振り返ることが出来た。イノベーター型の人と、実行型の人は大事にする部分が違うのだ。前者は、壊して確かめて、問題を解決しようとする。後者は、動いているものをわざわざ壊す必要は無いと考える。私は前者そのものだ。

5つのイノベーションに必要な力のうち最も大事にされているのが、無関係そうに見えるものを結びつける力だが、これはつまり、「謎掛け」であった。私が大学生時代からずっと大事だと主張して来たことが、あっさりとここで書かれていた。

私は、イノベーションは、蓄えられた経験、知識、考え方などの組み合わせだと考えている。その組み合わせの妙で決まると考えている。そして、それを実現させようとする強い意志を持っている人だけが、実現させることが出来るとある。

質問と観察とネットワーキングで問題の把握をし、実験で確認する。実験も色々な種類があることが書かれており、私がやっていたことは実験だったと分かった。

イノベーションのDNAを持っている個人、それをどう企業のイノベーションのDNAにするかということも書かれており、これも見所。結論から言えば、イノベーションはありとあらゆる所で必要で、それは天賦の才能ではなく、トレーニングでできるようになるものであるということを述べている。

そして、それを教育の場面で行うこと大事だと書かれている。

最後に、クレイトン・クリステンセンの謝辞の中で膝を打った場所を引用する。

「優れた理論は、研究者が理論で説明できないアノマリー(異常)を見つけようとしてくり返す研究のなかから産まれる。だからこそ、物事が予想通りうまくいかない理由を、進んで説明してくれた人たちに、大きな感謝を捧げたい」

私は、この文を読んだとき、理論を教育実践に置き換えて読んでいた。研究者を実践家にして、進んで説明してくれた人を指導課題を抱えている子ども達に置き換えて読んでいた。そうなのだ。

私たち、教育関係者も、イノベーターになる必要がある。そして、次世代のイノベーターを育てていく必要があると強く感じさせる本であった。

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