『反省させると犯罪者になります』(岡本茂樹 新潮新書)
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『反省させると犯罪者になります』(岡本茂樹 新潮新書)
衝撃的なタイトルである。しかし、語られている内容は実に真っ当である。
一言で言えば、人間は反省する前に後悔する。そして、その後悔は否定的な感情に基づく。その否定的な感情を吐き出すことなく、後悔を経ること無く反省を求めると、形ばかりの反省になり、本質的な反省はならないという考え方を展開している。
著者は、元中高の英語の先生。そして、刑務所で更生プログラムに関わっている。その中でこの考え方を纏めて行った。非常に良くわかる。
私は、生徒の問題行動は、生徒の問題行動ではなく、発達課題だと捉えて、保護、支援、指導していくことが生徒指導だと考えている。本書では、同じように生徒の問題行動は、実は「必要行動」なのだと捉えて、指導して行く姿も書かれている。
教師は、つい、正論で指導してしまう。それが教師なのだと思う。が、その正論によって抑圧される否定的な感情をどう扱うかが問題である。抑圧され続けると、どこかで爆発する。外に出れば、暴力的な行為となる。内側に押し付け続ければ鬱状態となる。適切に、その否定的感情を出させ、その後に、本当の意味での反省が出てくるのを待つということが大事だと説く。
教師には、必読と言っていいと思う。
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