5+3=2
9/24
今日の一回生ゼミで、なかなかいい仮説が学生たちから出た。
仮説を出すことが、教育実践のスタートだと考えている私はとても嬉しい。
娘(7)が解いている問題を元に子どもの発想を考えてみようと言う課題にてである。
Q
太郎君は5匹カブトムシを捕まえました。そのうちオスは3匹でした。メスは何匹でしょうか。式をたてて答えましょう。
この問題に対して、娘は
5+3=2
と答えた。
ちなみに、娘は5−3=2というのを知っており、5+3=8というのも知っている。しかし、この場合は、5+3=2だと主張するのだ。
さて、これはどうしてだろうか?
というのが私の発問である。
◆
学生たちは、
・ーというのを書こうとして、ついうっかりもう一本書いてしまい、+にしてしまった。
・オスが三匹くっついて、三組のカップルが出来て、2匹残ったからこう書いた。
などの仮説を出していた。
これもなかなか面白かったが、私が面白いなあと思ったのは、
・「たてて」とあるので、棒をもう一本立ててしまって、ーが+になってしまった。
・「たてて」というのは、足し算のイメージのする言葉なので、+と書いてしまった。
というものである。
特に、足し算のイメージのする言葉なのでと言うのはあると思う。
◆
言葉の意味より、言葉が持っているイメージに引っ張られてしまうという言い方でいいだろうか、そんな感じである。そして、その引っ張られ方はその一人一人の子どもによって違うだろうなあとも思う。
(バカだな、この子は。こんなことも分からないの?)
と思ってしまうだろう。通常の先生であれば。
だけど、
(え、なんでこう思ったんだろう?!)
と興味を持ってその子どものことを見ると、不思議な世界と思っていた子どもの世界は、実は非常に論理的であることがわかることがある。子どもの論理ではそうなっているということがある。それが分かると、子どもが愛おしくなる。
『それが分かる先生になるには、先生の側に相当の実力が無いとダメだと言うことは、分かりますか?』
学生たちは深く首肯く。
『その力を身につけて行くのが大学の授業で、このゼミはその大学の授業の受け方を身につける為のゼミです』
と話す。
これから半年間、あれこれやる。
◆
ちなみに、うちの娘は
「そのうち」が、「晩秋の夜の冷たい雨は、そのうち、雪にかわるでしょう」の「そのうち」の意味と理解しており、ここで求められる「その中で」とは理解していない。時間の経過の「そのうち」と理解していたので、+を書いたというのが後から分かった。
私は
「天才!」
と娘を褒めた。
親バカである。
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