予想される反応と、期待する反応
9/19
先日の集中講義で、学生たちに「SNSの使い方に関する授業を作れ」という課題を出した。3〜4人のグループで作らせた。対象は、中高のどちらでも良い。 10分の授業時間とする。準備は180分と昼休み。A4一枚の簡単な指導案を用意すること。指導案には授業の目的を入れることとした。
『講義形式でも、ワークショップでも、演劇でもいい。まだ君たちは授業づくりについて詳しく勉強していないから、細かくは問わない。君たちがSNSに関して問題だと考えることを解決する為の一つのプランを提示してくれればよい』
という話をした。
学生たちは、頑張った。
演劇、問答、講義形式と色々あった。
SNSを情報伝達という観点から、ベルによる電話の発明から説き起こして解説するグループや、現状の問題を解決する為に必要な新たな法律は何かということを考えさせるグループもあってとても面白かった。
その中で、一つのグループが、想定外の質問を受けて混乱してしまった。
授業を作るとき
『予想される反応を考えるんだよ。期待する反応を考えるんじゃないよ』
と説明していたのだが、予想される反応で授業を作ってしまっていた。
これは授業経験のある先生でも実は中々難しい。
予想される反応と言いながら、自分が答えて欲しい答え(期待する反応)を元に授業プランを考えてしまう。だから、その期待する反応が出るまで「次? 次? 次? うーん、そうね!」という授業をしてしまう。
この学生たちは、次? 次? はしなかったが、折角良い質問があったにも関わらずそれを生かすことが出来ないで、自分の話をし始めた。そして、纏めはありきたりな道徳的なお説教になってしまった。
学生たちはここに気がついていた。自評でそのことを話していた。そこは優秀。良くわかっていたようだ。じゃあどうしたら良かったのかを話すのが私の仕事。
『自分の想定していたところと違うところに授業が向かって行ってしまった時に、どうすれば良い か。三つある。1)「御免、話が違うところに行った。こっちに戻すね」とはっきり戻す。2)そもそもどんな話になっても大丈夫なように、自分の知識を増や しておく。で、3)だ。たぶん、これが一番現実的。指導案の目標を見るである。自分がこの授業で伝えたかったことは何なのかをもう一度確認することだ。そ こを確認し、生徒の発言をもう一度振り返り、その目的に繋げて行く。そういうまとめをすることだ』
と解説。
まだ、慣れていない学生さんたちには難しいが、でも、それを知っておくと知らないでおくとではかなり違うはず。
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