地元のことって、知っているようで知らないことがある
滋賀県の名産、名勝を回る小さな旅行に抽選であった。kokocoolというものだ。
滋賀にやってきて結構な時間が経つが、まだまだ知らないところもたくさんあり、今回の旅行は滋賀でセレクトされた素晴らしいところを巡るというので、やや期待しながら旅行に参加した。
印象に残った場所について書く。
◆
艸方
光る陶器を開発した窯元だ。
ご主人は陶器がどのようにできるのかを説明してくれる。なんというか、これでもかこれでもかというような説明。しかし、しつこくない。
あれだけ開発をしていて、それでもまだまだやりたいことがたくさんあって、それがうまくいかなくて、それでもやるのだという話をしてくださった。
私は
『陶器を作っていての喜びはなんですか?』
『陶器を作っていて、これは常識だと思っていたけど実は違っていたというものはありますか?』
と二つの質問をしてみた。
「やっぱり、釜の扉を開けるときですね。あれだけ丁寧にやったのに、うまくいかないのですよ。100のうち90はダメ。親不孝がいるのですわ」
すごい。面白い。1割で勝負するのかあ。プロ野球の打者より確率が低いなあ。そして、陶器を子供のように思っているからなのだろうか、できの悪いのを「親不孝」という。
「えっともう一つは、常識でなかったことですか。うーん」
結構考えられていた。そして、そこで話されたには、
「それはねえ、って、これ極秘事項ですね」
ということなので、ネットには書かない(^^)。これは仁義である。
帰るタイミングになったので、個人的なことも聞いてみた。料理に関することや、あれこれを話していたら
「ぜひ、なんでも言ってください。作りますよ」
と言われてしまった。
私もお願いしたいが、道楽にそんなにお金をかけられないなあf(^^;。
やりたいけど。
◆
お茶
信楽は宇治と隣り合わせ。お茶の名産地のすぐそばに土の名産地があって陶器ができたのはすごいなあと思っていたが、実は、信楽にもいいお茶があった。かたぎ古香園。
40年前から無農薬でお茶を作っているとのこと。
奇跡のリンゴの林さんと同じ話を聞いた。
無農薬で作り始めた最初の3年は全くダメだったとのこと。葉っぱを害虫に食べられてしまい収穫がなかったとのこと。
しかし、3年、4年、5年と経つにつれて害虫を食べる益虫が畑にやってきてくれたことから、収穫できるようになったというのだ。
「お茶は、子供からお年寄りまで誰もが毎日飲むもの。だから安全なものを作りたい」
とご主人。まさにだ。農薬は骨の髄に蓄積される。仮に国の基準を下回っているとしてもやはりできれば避けたい。子供には少しでもいいものをとは思ってしまう。
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で、お二人のご主人に共通していることがある。一つは、とにかく新しいことを開発する気持ちがあるということ。そしてそれをやり抜く良い意味での頑固さがあるということ。今でもさらに新しいものを追い求めているのがわかった。パイオニアってのは、そうなんだろうなあと思う。
もう一つは、化学に詳しいということ。土の成分や釉薬の話をするとき、お茶の成分の話をするとき、農薬の話をするとき、元素記号や化合物やらの名前があちこちで出てくる。まあ、私が知っているぐらいのものなのだから、基礎的なものなのだとは思うが、それにしても凄い。化学の知識と経験と技術で突き進んでいる感じがした。
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面白いなあ。こういう人たちの話を聞くのは本当に面白い。質問するのが楽しい。
続く。
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