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2016/05/30

時々、教育にはこういう奇跡が起きる

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先週の国語科教育法は漢字指導についてである。

まず、学生たちの今までの漢字の学習の仕方についてアンケートをとる。どのようにして覚えていたか。また、覚える時どのような工夫でやっていたのか。先生からはどのような指導、指示を受けていたのかなどを無記名で答えさせたものを元に、クラスの実態を明らかにした。
結果としては、書いて覚えていた学生が9割程度であった。国語と書道の教師を目指すメンバーなので書いて覚えるというのは親和性の高い方法なのかもしれない。しかし、読んで覚える、見て覚えるなど他の方法を取っている学生もいて、驚きが上がる。

『国語ができるから国語の先生になるのだが、自分がやってきた方法がベストだとは言えないのが、勉強だ。だが、勉強のできる先生は、自分の方法をベストだと思い込み、それを子供達に「強制」する。指導という名の下に、強制するのだ。

しかし、勉強の仕方は人それぞれである。勉強ができるようになったというのは、自分なりの勉強方法を見つけたことと同じと言ってもいいかもしれない。だから、勉強のできる子供ではなく、できない子供に、その子にあったその方法を見つけて提案してあげられるのが、プロの教師なんだと思うのですよ。

漢字一つ覚えるにしても、それはいろいろな方法があるわけです。漢字は、読み、書き、意味と少なくとも三つ覚えなければならない。しかも、読みには音読みと訓読みがあり、さらには熟字訓があり、本気と書いて「マジ」と読んだり、もうね、日本語を学ぼうとする外人さんから見たら"It's crazy"の世界なんだよね。

ところが、君たちはそれを楽々と乗り越えて、ここにいる。そして、乗り越えてきた方法が正しいと思っている。しかし、私はその方法だけが正しいと思っていることは危険だと考えているのだ』

「一人一人に応じた学習スタイルを提供する」
理想である。現実は無理だ。
だから、マスが受け止められる指導方法を提供する。だが、その時常に、
(これでダメな生徒はいるんじゃないか?)
と振り返りながら前に進まないと、授業にはならない。
指導が届かない生徒がいるのだ。
その時に、どうするかで教師が問われる。

授業では、津川式も、唱える式も、カタカナ分解式も、語呂合わせ式も、歌う式も、踊る式も教えた。あれこれ教えた。漢字がわからないことは、日本で学習する根っこの部分を培うことができないということであるから、大事なのだ。

授業後。とある学生が質問に来た。
「いつも先生に教えていただいたものを子供達にやっています」
と学生が言うので、それなら話を聞くかと聞いた。

漢字が全くダメな小学校四年生をの子供のことだ。
自分の名前も漢字で書けないとのことだ。その子供にどうしたら漢字で名前をかけるようにできるかということ。
あれこれアドバイスした。
その結果が、以下の感想だ。

■□■

私は今日の授業で漢字の学習方法が人それぞれで、たくさん種類があることに驚きました。

まず驚いたのは"薔薇"が書けるようになる方法です。池田先生が「1度も練習せずに書けるようになる」と言ったとき、正直何を言ってるんだと思いました。こんな難しい漢字を1度も練習せずに書けるようになるわけないと思い、その方法は私には無理だなと思いました。しかし、私は簡単に薔薇という漢字が書けるようになりました。自分で自分が書いたのか信じられない気持ちでいっぱいでその時は笑えてきました。授業後、書道室に行くとTという漢字が苦手な同級生がいたので実践してみたらTも書くことができました。

次に驚いたのは語呂合わせでの覚え方です。語呂合わせで覚えようとしたときはありますが、先生に教わったものほどわかりやすいものは初めてでした。「リンカーンはアメリカンコーヒーを3本飲む」という"鬱"の字はずっと忘れないと思います。そう思うほど私の中で強いインパクトを残しています。これも高橋で実践してみましたが、成功しました。Tもすごく感心しており、これは人の印象に残りやすいもので、"鬱"の字が書けない生徒には有効だなと思いました。

最後に今日の出来事でぜひ池田先生に報告したいことがあります。私の塾の生徒のことで相談にのっていただいた件です。
"薔薇"の方法では難しく、その後に提案していただいた、"名前の漢字を全てカタカナにしてみて組み立てる"という方法を実践してみました。最初は生徒は苦戦していました。組み立て方がわからず、顔をしかめていました。

なので紙で即席で雑でしたがカタカナのパーツを作ってあげ、積み木をするような気分で一緒に組み立てていきました。すると組み立てることができるようになり、最後はガッツポーズをしながらノートにいっぱい自分の名前を書いていました。

どんどん書けることが嬉しくなっていったようで、カタカナの歌を作ってノリノリで書いてくれるようになり、私も嬉しくて仕方がなかったです。80分の授業のうちの50分近くをこれに費やしてしまいましたが、私にとっても生徒にとっても今までで一番価値のある50分だったように思います。この生徒にはこの方法がハマったんだなと思い、漢字克服の糸口が見えました。

授業が終わって迎えに来た母親に嬉しそうに報告する姿はもう忘れられません。国語科教育法以外の相談にのっていただき、本当にありがとうございました。

池田先生が「勉強ができる人は自分の勉強方法がある」とおっしゃっていましたが、その勉強方法を見つけてあげるという体験ができてとても良い1日となりました。私は国語科教育法で学んだことをよくアルバイト先の塾で実践しています。これからも色々試して自分で体感して学んでいきたいです。今日は本当にありがとうございました。

■□■

時々、教育にはこういう奇跡が起きる。

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