テキストに根拠を求めながら読む
昨日の教科教育法(国語)では、ごんぎつねの3の場面を中心に授業づくりの具体について指導した。
具体的には、以下の指示を事前に出して、指導案を書かせ、物語文の読解の仕方、指導の仕方の基礎を抑えた上で、授業ではテキストの読解をしながら進めた。
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目標: 3場面を読んで、ごんの行動や気持ちの変化を考えよう。
学習指導要領 小学校国語 第三学年及び第四学年 C 読むこと
(1) 読むことの能力を育てるため,次の事項について指導する。 ウ 場面の移り変わりに注意しながら,登場人物の性格や気持ちの変化,情景などについて,叙述を基に想像して読むこと。
目的:テキストに根拠を求めながら読む。
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思い込みではなく、テキストに書かれていることから考えていくわけである。
ごんは、うなぎ、いわし、山栗、松茸と兵十にgiveする。giveするものが違っていくこと、またgiveの動詞が違っていくことをテキストから読まねばならない。そして、それはなぜ変わっていったのか。その時、ごんの心情はどのように変化していったのか。ごんの心情の変化の一方で、兵十はどうだったのか。
これらを、教師の思い込みではなく、テキストに書かれている事実から考えていく。
国語の授業としては当たり前の授業なのだが、このような読み方を指導してもらった学生は実に少なかった。教師が自分で読んだ解釈を児童が当てるような国語の授業が多かったのだ。そうではない。
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『ごんぎつねは、ハッピーエンドですか? バッドエンドですか?』
と発問した。学生はほぼ50%にわかれた。
『では、その根拠は何ですか?』
その根拠を本文から読取らねば、国語にならない。
『では、横の人とペアになって、じゃんけんに勝った人から、ペアの人に、「私は〜エンドだと考えています。なぜならば教科書の〜にこう書いてあるからです」という形で説明してください。はいどうぞ』
と交代でやらせる。
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授業の終わりには、
『今日の授業で勉強になったなあ、と思うことを三つ、ノートに書きなさい』
『ペアの人に、その三つについて何がどう勉強になったのかを説明しなさい』
とした。
人間は、必要なことと興味があることでないと学ばないと思うのだ。
だから、教師がいかにこれが大事だと言っても、学習者が必要、または興味があるとなっていないと学ばない。だから、自分が勉強になったと思うことをまとめさせるというやり方は、大事だと思っている。
『もちろん、教師は児童に対して(あ、これは必要だ)と思わせる導入を考える必要があるんだぞ』
と付け加えておいた。
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前期の授業もあと一回で終わる。
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