君のデザインミスだと思うなあ
教育実習訪問指導で小学校に出かけた。
とあることで、縁のある小学校。縁のある人、縁のある場所というのはあるものだなあと思う。
◆
研究授業の一つの山場は、かるた。
授業者が作った、お手製のかるたで遊ぶ。
かるたは、「門」と「問」のように似たもののセットが4セットある。
1)4人グループになる。8枚のカルタを机に並べる。
2)先生が、「算数の問題のモン」のように読み上げ、児童は該当するカードをとる。
というシンプルなものである。
(こんなシンプルなのでいいのかなあ)
と思っていたら、結構盛り上がる。
そして、カードがすくなるなるに従って、対戦に掛かる時間が多くなる。児童は延々と自分が取ったカードだと主張し、またはじゃんけんで決着をつけようとしている。
三回目からの記録だが、
三回目から四回目までに、1分8秒
四回目から五回目までに、1分25秒
五回目から六回目までに、1分12秒となっている。
五回目から六回目の時に早くなったのは、授業者の学生が
「早くしできないなら、終わりますけど?」
と脅したのが効いたのかもしれない。
ただ、私はここが気になる。
◆
授業後の指導で。
『私の記録では、後半になる程、試合の間隔が長くなっているけど、それはどうしてだと思う?』
「やっぱり、盛り上がってきたからではないでしょうか?」
『うーん、そうかなあ。私は違うと思っている。そこがわかっていないとすると、君のデザインミスだと思うなあ』
「?」
『つまり、8枚のカードを4人で取るのと、4枚のカードを4人で取るのとでは、何が違う?』
「?」
『同時に取る人が増えるでしょ。そうなると、話し合いかじゃんけんの時間が必要になるわけ。だから、子供たちは先生の指示に従って、ちゃんと決着をつけようと頑張って、その結果時間が長くなっているのだよ。しかし、君は「早くしできないなら、終わりますけど?」と脅している。それは違うでしょ。後半になると同時で札を取る児童が増える。その結果話し合う時間が増えるという、自然の流れを見通しを持って、このかるたの部分をやっていないのではないですか?』
「はい。」
『そうだとすると、先生が悪い』のに、子供に「早くしできないなら、終わりますけど?」というのは、違うでしょ、
「はい」
◆
授業の初学者が、見通しを持って授業を作るというのは、至難の技だと思う。結構なベテランでもできない人はできない。
ただ、この見通しは、実に重要。
彼ら彼女らが身につけられるようにしたいなあと思った教育実習訪問指導でした。
まずは、料理作り指導からだな(^^)。
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