笑いで済ませてはならんだろうなあ
今日の一回生のゼミで、笑いで済ませてはならんだろうなあと思って説明したことがある。
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後期から私が担当したこともあって、学生たちは知り合っているのだが私が分からないので自己紹介をさせている。それも、私が「忘れてくても忘れられないぐらい印象的な自己紹介をせよ」という指示に基づいての自己紹介である。
そこで、ある男子学生がやった自己紹介がAppleTVにiPhoneの画像を移しての紹介で、なかなか面白かった。先日私が出かけた琵琶湖テラスに行ってきて、そこから自分の家が見えることを紹介し、なかなかいい感じ。
そして、「恋人の聖地」の写真を見せて、
「僕の恋人を紹介します」
と言って、ゼミの男子学生と一緒にラブラブで写っている写真を見せて、笑わせるというものであった。
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まあ、他意はない。悪意もない。
しかし、教師になるのであれば、ここは指導しておくべきではないかと思って、言った。
『あのね、まあ、悪意はないのはわかるけど、これ、男同士で愛し合う姿をオチにして笑いを取るってのは、やめたほうがいいなあ。男で男を愛す人もいるでしょ。クラスにそういう子供がいるってことを想定していないでしょ。傷つくと思うよ、先生がそういうスタンスでいると。
LGBTって知っているでしょ。性というのは、はっきりと男と女となるのではなく、グラデーションということが最近言われています。また、大阪などでは先進的に取り上げています。http://www.asahi.com/articles/ASJ7H5663J7HPTIL01V.html
不妊って知っている? うちもなかなか授からなかったけど、今不妊はとても増えています。そして、その不妊の定義だけどwho(世界保健機構)では、独身やゲイでも子供が欲しいのに授からない人までも、不妊と定義しているんですよ。
http://www.gizmodo.jp/2016/10/who-chaged-definition-of-infertile.html
愛とか性ってのは実に多様で、あなたにとって受け入れられず笑いの対象になるものであっても、その人にとってはそれが当然ということも沢山あります。
君たちは教育の仕事に就く。だから、このような愛とか性の話題は、笑いのネタにするのは慎むことを身につけることが大事だと私は考えています』
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叱るでもなく、怒るでもなく、説明をした。
笑いは丁寧に扱わないと大変なことにもなりかねない。
一回生のうちに、理解させたいなあと思って説明した。
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