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児童生徒の指導の記録、エクセルシートを公開します。
卒業生にプレゼントしたものですが、どうぞ新学期から使って見てください。私が現役時代に作って活用していたものです。
この指導の記録がなかったら、乗り越えられなかった出来事は山ほどあります。一日に5分の記録の積み重ねですが、効果は絶大だと思います。
どうぞ、ご活用ください。
また、学年での使用や、同僚への配布も歓迎します。
なお、使用後に、使用感を教えてくださいませんか?と聞くことがあるかもしれません。
その時は、よかったら教えてください。
生徒指導に関する、授業や研究に活用させていただくかもしれません。よろしくお願いします。
http://fast-uploader.com/file/7046213611535/
にあげてあります。約一ヶ月後に消えます。
ダウンロードパスワードも
ikeda
です。
以下の使い方は卒業生に向けて書いたものなので、その書き方になっています。
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【使い方】
0.個人情報を書き込むことになります。ファイルにはパスワードを設定しておくことを強くお勧めします。初期設定は、
ikeda
です。
◆
1.氏名欄に担任する児童生徒の名前を打ち込みます。始業式、入学式には全員文を打ち込みます。
2.同じ日に複数名を入力するときは、日付の欄をたくさん作ります。
17/4/6 木 池田
17/4/6 木 山田
17/4/6 木 佐藤
17/4/6 木 鈴木
のように。
3.出来事の欄には、事実や感じたことをどんどん書きます。四月は第一印象でいいので、どんどん書きます。一週間の間に全員の記録が取れるように頑張ります。
4.出来事の欄には、児童生徒がしたこととされたことを書きます。されたことの場合、した児童生徒がいます。その子供の名前も書き込みます。そして、その内容をコピーして、した児童生徒の欄にペースとします。
5.出来事の欄には、もちろん、児童生徒の良いことも書きます。会話があったら、会話も残しておきたいところです。
* 出来事の欄には、あなたに起きた事実を書いておくことも大事です。できれば、退勤時間も記録しておきましょう。まさかの時に、あなたを守ります。
さらに、学校に対する、不平不満も書いておきましょう。人に見せるものではありません。書いておくことが大事です。一年目のあなたには、それを解決する実力はありませんが、数年後、実力がついた時には不平不満も当たり前になっています。その時に、この記録を見直して、改革すべきです。
6.対応は気になったことがあったら書く程度で大丈夫です。
7.感想は、指導者の感情を書きます。「こんなこともあるんだ」とか「まあ、許せないよなあ」とかです。感情を一緒に書いておくと、記憶に残りやすいです。
8.書くときは、1日の仕事を終えて、帰る間際がいいと思います。5分程度で書きます。一ヶ月もすると気になった子供だけで良いと思います。ただ、継続を心がけます。
◆
9. 時々名前でソートしてみます。記録の少ない児童生徒がいたら、その子供を集中的に観察します。また、雑談などをします。
10.時々曜日でもソートします。特定の曜日に特定の事案が発生していることがあります。
11.通信簿の所見のデータになります。その児童生徒の具体的な事実から書くことができます。
12.気になる児童生徒がいたら、その児童生徒で事件をソートして、プリントアウトして、学年会で見てもらったり、生活指導の先生、養護の先生、管理職の先生に相談するときの資料にします。
◆
指導は、記憶から行うものではなく、記録から行うものです。一日5分を続けましょう。事実があとで、モノを言います。
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新年度の学級経営がうまくいきますように。
ヒドゥントレーニングって言葉はあるのだろうか? 気がついたらトレーニングしていた、されていたというもの。グーグルで検索する限りでは無いようだが、実態としてはあるように思える。
◆
朝風呂で髭を剃ろうと思ったら、鏡が曇っている。
手に残ったシェービングクリームで鏡を磨いて、手桶で鏡にお湯をかける。
ま、たったこれだけのことなんだけど、私はちょっと工夫する。鏡の下に桶を置くのだ。そうすると、鏡を伝わって来たお湯が、桶に溜まる。その溜まったお湯で髭を剃った後のシェーバーを洗うのだ。
そうるすと無駄がない。
◆
「いや、そんなこと節制しても大したコストダウンにはならないでしょう」
ということを言われるかもしれない。
確かに、大した節約にはならない。
だけど、本質はそういうことではないと思っている。
大事な点は、こういうところに工夫する点はないか?と考えることだと思っている。そういう考える癖を身につけいくこと。そして、それを実行すること。小さなものでいいからこれを繰り返しやることだと思っている。
つまり、問題発見、解決プラン作成、実施、評価である。日常生活でこういうことをしているかどうかってのが、大きな事案に対してのトレーニングになると思うのだ。
◆
目に見えるコストが大したことがないからとやらないのは、ヒドゥントレーニングをやっていないことなんだと思うのだ。
どれだけ禁欲的になれるか。言い換えればどれだけマシーンになれるか。学習や仕事の効率を上げるためには、結構大事なポイント。
だけど、私にはまあ、3日とか、3週間とか、3ヶ月とかの期間しか続かない。それが限界。
だから、Macに頼ってダラけていても大丈夫なように仕事を組み立てながらやってきた。多分、人工知能ってのは、ここをもっとサポートしてくれるんだろうなあと思う。
しかし、さらに考えると、マシーンのように学習し、仕事をするのは、人間の仕事ではなくなるかもしれないなあと。それは、マシーンに任せればいい。人工知能に任せればいい。
その先だ。
大事なのは。
ひょっとすると、人間らしさは、ダラシなさにあるのかもなあ、と自分に都合のいいことを考える昼休み。
2019年11/22「明日の教室」は、NPO法人明日の教室として認可されました。
ありがとうございます。
これからも、教育の世界を中心に社会貢献をしてきます。
よろしくお願いいたします。
明日の教室は2020年で、14年目を迎えます。
◆
明日の教室のHPができました。
https://asunokyousitsu.themedia.jp/
講座の案内
関連書籍
関連DVD
ニュース
などは、こちらからリリースされることになります。
新刊が出ました。『スペシャリスト直伝! 中学校国語科授業成功の極意』という本です。国語を実技教科にしたいと考えて実践を重ねてきた記録を書きました。以下、いくつか書いたうちの一つの、「おわりに」を掲載します。
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本書は、池田が中学校の教員の時にしていた国語の授業実践を、書き尽くしたものです。授業観、授業の作り方、授業の内容、授業の仕方、授業の評価などについて書き連ねました。
教員になって17年目に大学院に派遣されることになり、その後色々とあって大学に異動することになりました。19年間中学校の教師をしていたので、大学院派遣の1年間を除いた18年間の授業を元にして書いたことになります。それを大学に移って11年目にまとめて書けるとは、実にありがたいことです。
青梅市立吹上中学校校長で敬愛していた蛭田容之先生は、ご退職の時「池田さん、僕はね、職業人としてはここで死ぬんだよ」と言われていました。20代の若造の私にはそれが何を意味するのかは全くわからなかったのですが、今はわかります。中学校の教員を辞めたということは、私は一度職業人として死んだことになります。その記録を本書に残すことができたということは、とても幸せなことだと思っています。
◆
本書を読んでくださったみなさんは、どのような感想を持たれたでしょうか。
(一体、なにやっているの?)と思われたでしょうか。それとも(へー、なかなか面白いねえ)と思ってくださったでしょうか。
私は、生徒たちが「言葉って面白いなあ、国語って楽しいなあ、できるようになったなあ」という思いを抱けるように授業を作っていきたいと考えていました。しかし、「だから、何が何でもこの方法でやりなさい」ということはしてきたことはないと思っています。
私は(この生徒たちが欲しているものは何か。どんな力をつけるべきなのだろうか。どういう方法が彼らには合っているのだろうか?)と考えながらやってきたつもりです。生徒たちが魅力的だったおかげで、その生徒たちに応じた授業を作ろうとしてきました。もし、(一体、なにやっているの?)と思われたなら、私に問題があります。もし、(へー、なかなか面白いねえ)となっていたとしたら、それは生徒たちの魅力を引き出すことに成功したのかもしれません。そうだったら嬉しいです。
◆
本書を校正している最中に、中央教育審議会の答申がなされ、新しい学習指導要領の方針が決められました。2020年からの大学入試改革もあり、教育界は大きく変わろうとしているときに、過去の本を書いてもどうなのか?ということもるかもしれません。しかし、ちょっとだけ自慢をすれば、結構時代を先取りしていたなあという思いもあります。実は20年前にこんな試験問題も出していました。子供達に圧倒的な人気のあったTHE BLUE HEARTSのTRAIN-TRAINの歌詞からの問題です。
『問1「栄光に向かって走る、あの列車に乗って行こう」とあるが、「あの列車」とは何か述べよ』『問2「見えない自由が欲しくて見えない銃を撃ちまくる」とあるが、「見えない自由」「見えない銃」を説明せよ』
これからの教育は、唯一の正解を理解させていく教育から離れます。知識を前提にして活用し、社会で生きていく力を獲得するための教育へと変わっていくことでしょう。それを可能にする授業は、集団で、継続的に学び続ける授業。生徒の実態から始まって、社会に出てから役に立つ授業。それを知的に、興奮できて、楽しく学べる授業を通して行われていくことが必要になると思っています。私もそうでありたいと思い実践してきました。
さらにこれからはここに人工知能の活用が加わって、イノベーティブな人を育てる授業づくりが中学校で行われいくんだろうなあと思っています。私も大学で学生相手にそんな授業づくりのあり方を考えていきたいと考えています。
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最後に、お礼を述べたいと思います。
じっくりと原稿の進み具合を待ってくださった、編集部の及川誠さん。実に丁寧な校正をしてくださった、西浦実夏さん。ありがとうございました。実践初期の記録を丁寧に読んで整理してくれていた妻。中学校での実践の後に生まれてきてくれた娘。二人のおかげでじっくりと本書に向き合うことができました。ありがとう。この授業開発・実践を、私と一緒にしてくれた青梅市立吹上中学校、昭島市立瑞雲中学校、八王子私立楢原中学校、杉並区立和田中学校の魅力的な生徒のみなさんに、心から感謝の意を表したいと思います。ありがとう。
そして、最後まで読んでくださったみなさん、ありがとうございました。何かのお役に立てば嬉しいです。
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こちらから注文できます。よろしくお願いいたします。
3月の「明日の教室」には、黒上晴夫先生(関西大学教授)に御登壇いただきます。
黒上先生といえば、シンキングツールです。
私たち教師は、簡単に「考えなさい」と子供達に指示を出します。しかし、よく考えてみると考えるとは一体どういうことなのでしょうか。アイディアを出す、関係付ける、振り返る、要約する、位置付ける、意思決定するなどなどの下位概念として捉えることができます。(黒上先生によれば、それは31種類あります)
その「考える」を具体的な作業として行うために有効な道具が、シンキングツールです。黒上先生はこのシンキングツールを20種類提案していらっしゃいます。
今回は、シンキングツールを中心に、子供達に考えることを促す指導方法について講座をお願いしたいと思います。ご期待ください。
ご経歴です。
平成元年~平成4年 大阪大学人間科学部 技官・助手
平成5年~平成13 金沢大学教育学部 助教授
平成14年~ 関西大学総合情報学部 教授
専門分野
授業設計,メディア教育,情報教育
著書
・『シンキングツール~考えることを教えたい~』2012年,NPO法人 学習創造フォーラム
・『「深い学び」で生かす思考ツール (教育技術MOOK)』 2017年,小学館
訳書
・『教育目標をデザインする~授業設計のための新しい分類体系~』2013年,北大路書房
・『子どもの思考が見える21のルーチン~アクティブな学びをつくる~』2015年,北大路書房