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2017/04/30

酔睡亭開店へ その3

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カフェを出て(ええ、まだ、前回と同じ日付です)、実際の祇園のお店の場所を見に行くことにした。

やることが決まったのだが、いつやるのか、どうやるのかを考えながら、歩いて行った。
道を数本過って行くと
「ここです」
と到着。

ちょっと、待て。
確かに祇園だが、超、一等地ではないですか。
なんてたって、祇園の花見小路、白川沿い、そして、あの有名な吉井勇の歌碑が見えるところです。

かにかくに 祇園はこひし 寐るときも 枕の下を 水のながるる

これですね。もう、信じられない。

この小路は、私が学生時代に初めて関西に旅行に来た時に、来た場所でもあります。多分、30年ぶりです。そう大学の4年生の時だったから23歳の頃だったと思います。この花見小路の一番縄手通側にある店に入ったのを覚えています。その当時はおでん屋さんだったと思うけど、今でも店はありました。そんな私にとっては思い出の土地で、店を出せるかもしれない。
現実感がなくなっていきます。

で、店の中に入りました。
(ひ、広い)
本格的な料亭があった場所らしく、厨房もカウンターも立派。
二階にも上ってみることにしました。

ウヒャア。
とっても広い。メインの広間は、テーブルの着座でも40人ぐらいは大丈夫そう。
さらに小上がりや客間なども入れるとかなりのお客さんでも大丈夫。

「実は、店のオープンは四月の末なのですが、満開の桜の時期にまだ店を開いていないことになります。ここからの景色が全く活用されないんです。勿体無くてね」

と。
うーん、こうなったら妄想のその2だ。

『あのー、実は、私のゼミは四月の花見から始めるんですが』
「あ、いいですね。花見で使ってください」
『そんな風に使うのは、え? いいんですか?』
「いいじゃないですか。そんなふうに使ってもらったら、店にも勢いが出ます」
『え〜〜〜!』

ということで、ゼミの花見の場所が決定。実はもうすでに場所と日程は、私のゼミの宴会係が動き始めて今年は円山公園でやろうかといことになっていたのだが、変更をお願いした。

頭の中では、
(3、4回生ゼミで30人。明日の教室関係で10人。40人だなあ)
と人数を弾く。場所的には大丈夫。
問題は、私の体力と下準備が可能かどうか。
40人ったら、1クラスですよ。
その人数の飲み食いに対応できるだろうか?
いや、なんとかしましょう。
こんなチャンス二度とないかもしれない。

すると、
「うちのスタッフも入って、サポートできると思いますよ」
とのこと。ありがたい。厨房の飲み会のプロがサポートに入ってくれる。
これほどありがたいことはない。

その後、先斗町に出かけて行って、ランチを取る。
ゆったりとした流れ鴨川を見ながら、
(うーん。凄いことになった。面白くなるぞお)
と思いながら、イタリアンをワインで楽しんだのでありました。
続く

2017/04/29

酔睡亭開店へ その2

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1月20日に祇園のカフェでご主人とお会いして、あれこれお話を伺う。

奥さんである後輩から聞いていたのは、お店で
「面白いことをやりたい」
ということ。
そういうことなら、相談に乗れるかもしれないということで会ったのだ。

で、会ってみたらこれがびっくり。
お能をやっていたという共通項とともに、乗っていたバイクがYAMAHA SRXでもあった。
そんな共通項があるなんてのは、本当に珍しい。

そんなことから、これなら私の妄想というか、理想というか、夢とか、アイディアとかを語っても大丈夫かなあと思い話し始めました。そしてこれが、ビジネスモデルになるといいなあと思いながら。

私が提案したのは、「寝床」モデルなんです。
寝床とは、落語の演目です。
義太夫が好きだけど、下手な旦那。自分の義太夫を聞かせたいが為に、料理を用意して食べさせて聞かせる。それでも店子はやってこないので色々やって、というようなお話。
https://ja.wikipedia.org/wiki/寝床

『バレエ、ピアノ、書道、写真、剣道、水泳、サッカーに野球。習い事や趣味をやっている人は、それを発表する場所がありますよね。発表会、コンテスト、ステージ、展示会、試合などで見てもらって、応援してもらってという幸せな場所があります。しかし、ですね、料理だけはないんじゃないかと思うのです。

料理が趣味な人は、まあ、家で作って家族に食べさせるか、家に人を呼んで食べさせるか、ご近所に配るぐらいでしょうねえ。それができない人は、アウトドア料理で「俺の料理を食え!」ってな感じになるのでしょう。だけど、本当は店でやりたい。プロの厨房で作って、知人に振る舞いたいのです。ところがそういう場所がない。

私なんて、ニンニクや唐辛子を使う料理なので、家では娘に辛いと言われ、奥さんにはニンニクはあまり好きではないと言われて食べてもらえない(^^)。年に一回琵琶湖花火大会の時には、学生たちを呼んで自分の料理を振る舞えますが、本当はもっとやりたいし、自宅ではなくて店でやりたいんですねえ。そういうのが叶う店をやりませんか? この方式だと、お店は基本的に箱を貸してくださればいいことになります。』

と妄想を話したのでありました。
すると、

「面白いです。それ、面白いです」

と話が肯定されたのでありました。

「そのスタイルだと、コックさんがお客さんを連れてきてくれますね。ブライダルのモデルでもありますね」

結婚式場のビジネスは、新郎新婦が披露宴のお客さんを連れてきてくれるので、店がお客を呼び込む必要のない飲食店のモデルとして考えられています。

『はい、そうだと思います。成熟の時代に自分の趣味をもっと楽しみたい人はいると思います。しかし、料理に関してはそれを発表する場所がない。だから、クックパッドがあんなに流行っているのではないかと思うのです。レシピと写真を褒めてもらえますし、実際に作ったレポートももらえます。キャラ弁だって同じ流れだと思います。見てもらって褒めて欲しい。反応がもらえるのが嬉しい。

しかし、実際は実物をだと思うのです。作ったものを食べて欲しい。写真を撮って欲しい。美味しいという声を聞きたいだと思うのです。

料理は、日常でありながら、レストランとなるといきなり敷居が高くなります。これは、火元責任者と食品管理衛生者のハードルが高いのと、食材の買い付け、管理、原価計算などが出てくるからだと思うのです。だけど、やりたい。自分の好きな食材を使って、お気に入りのお酒を用意して、友人に振る舞いたい。本物の店で作って振る舞う店が欲しいなあと思うんです』

「面白いですねえ。食材は店を通じて買い付ければいいものが安く入るでしょう。コックさんは、どうしても自分で使いたい食材やお酒を用意してもらって、あとは店の方でできますね。それに、コックさんが作りたくても作れないものがあったら、店のスタッフの方で作ったりとかもできるでしょうし、下ごしらえなんかも大丈夫でしょう」

『それはすごい! 食器の破損やゴミ出しとか超えなけれならないハードルもたくさんあると思うのですが、大丈夫でしょうか?』
「問題ないと思いますよ」

もう、興奮興奮。
本当に、本当なのだろうか?
後輩に新年会で会ってから15日後、開店まで78日の日のできごとである。

続く

酔睡亭開店へ その1

2017/4/10

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エイプリルフールかと思われた方がほとんどだと思うのですが、4月8日に、本当に店を出しました。とりあえず、一日限定ですが出しました。祇園の花見小路です。店の名前は、"酔睡亭"です。これは私がずっと使っている雅号ですが、今回、店の名前にしました。看板や暖簾も作りました。

まあ、なんと申しましょうか、人間、妄想が必要なんだとつくづく思っております。妄想は、本人にとっては妄想であっても、聴く人によっては理想であったり、夢であったり、アイディアであったり、ビジネスモデルであったりするわけです。

今回、私の妄想は、一つのビジネスモデルになりました。

なんで祇園で店を出すということが実現したのかの、そもそものことを書きましょう。

今年の正月に大学院の新年会がありました。大熊先生の大学院ゼミを中心とした新年会です。1月5日のことでした。

そこで、たまたま隣の席に座った後輩と近況を報告していました。彼女は、三週間前に二人目の子供を産んだと言っていました。ストレートマスターだった彼女は私よりずいぶん年下です。元気だなあとか思いながら、私は

『いやあ、料理ばっかり作っているよ』

とか言いながら、Facebookにあげてある写真を見せて自慢していました(^^)。

『料理の本も書いているんだよ』
「え〜〜〜、見せてください」

と言われたので、見せました。

https://itunes.apple.com/…/5fen-5suteppudehaj…/id1043474676…

「先生、すごいです! 主人の会社が京都の祇園に店を出すんですけど、相談にのっていただけませんか?」
『は?』
「イタリアンの予定なんです」
『は? いや、待て。私、単なる素人だよ。そんな相談になんて乗れないよ』
「いえ、これを見るともうプロです」
『いや、素人。それに、京都滋賀ってイタリアンは300店舗ぐらいあるから、相当な激戦になるよ』
「でも、会ってください」

というので、まあ、一回ぐらい会って色々とお話を聞くのも楽しいかなあと思ってお会いすることに。
これがそもそものスタートでした。

続く

2017/04/20

「2素振りぐらいですかねえ」

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今日の4回生ゼミで出た話題が面白かった。

児童教育学科の入っている校舎にあるロッカー室の一つを取りやめて、勉強のできるスペースにした。

その時、
『学生にどのぐらいの大きさだか見たか?』
と確認したら、ゼミ長が
「2素振りぐらいですかねえ」
と答えた。


何かと言えば、二人が野球の素振りの練習ができるスペースだという。

野球部出身の彼はこういう単位を使う。面白い、実に面白い。

1㎡とか10㎡とかいう単位を子供たちは習う。
しかし、私はこの生活に根ざした1素振りという単位はとてもいいと思う。

『じゃあ、1素振りは何㎡なの?』
というのであれば、わかる。

そういう風に、生活に根ざした、その子ならではの単位から始めたら、算数は面白く、かつ、わかりやすくなるだろうなあと思う。

2017/04/19

漢字テストと採点のやり方

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昨日の教科教育法(国語)では、漢字テストを行った。採点は交換して丸つけ。丸つけも学生達には大事な学習事項である。さて、試験、丸付け、返却の時に注意すべき点は何であろうか?

私が試験の際に行った指示は以下の通り

1)机を等間隔に並べなおさせる。
2)問題用紙を配る前に、『この試験は通常の試験と同じです。不正行為、不正行為を疑われることがあった場合、この授業のみならず、前期の成績がすべて認められないこともあります』と告げる。
3)『机の上には、筆記用具と消しゴムのみだけ置きなさい。筆箱もしまうこと』
4)『問題用紙を裏にして配りなさい。ない人は手をあげること』
5)『解答時間は5分です。解答が終わったら答案を裏返しにして時間を待ちなさい』
6)『はじめ』
7)『残りあと半分です』
8)『やめ。筆記用具をすべて筆ばこにしまいなさい。そして、採点に必要な赤ペンなどを出しなさい』
9)『近所の採点者の机の上に、赤ペンがあることを確認し、その人と答案を交換しなさい。互いに採点をします。なお、採点間違いがあった場合、採点者の得点からその分の点数を引きます』『解答を配ります。どうぞで採点を始めてください』
10)『採点が終わりました。向きを揃えて後ろから送ってきてください』
ということである。

その後、さらに確認する。

『漢字の丸つけは、解答用紙のどこにしましたか? 1)数字の部分、2)漢字の部分、3)その他』
これに関する私の考えは、2)である。そして、漢字の間違っている部分にバツをつける。
『解答が空欄の場合、どうしましたか? 1)そのまま、2)正しい字を書いてあげた、3)印をつけた』
これについては3)である。2)も状況によってはあるが、1)はしない。

私は点数がよかったら何かを買ってもらうということを親からしてもらったことはない。勉強はするべきものであって、その対価に何かを買ってもらうという教育はされなかった。もちろん、私の娘にもしていない。
ただ、そういう家庭が多くあるのも事実。そういう子供たちの場合、
(ああ、あと一点あればDSを買ってもらえるのに)
となることは十分に想定できる。魔がさすこともあるのだ。

その一方で一生懸命努力して満点にギリギリ届かない子供や、教師の採点ミスであっているのに「先生、間違っているのに点数があります」といってくる子供達もいた。
教師は、きちんと努力している子供達が報われる勉強のシステムを作る必要がある。試験と採点の時の指示は、試験が不正に行われないように配慮した指示である。

しかし、実は不正行為は答案返却時に行われることが多い。クラス30人に返却している間に、書き直して
「先生、合っているのに点数がありません!」
と言いに来るのだ。

そのことを防ぐために、バツは間違っている感じの部分に行うのだ。数字だと、間違ったところを消して書き直して持ってくる子供が出てしまう。また、空欄をそのままにしておくと後から書き加えられても、証拠がない。だから印をつけるのだ。
私の友人の高校の教師は、空欄は緑のペンで印をつけ、マルとバツに関しては赤で付けるとしていた。これならきちんと証拠が残る。

不正行為を生み出させない。子供を自分を傷つける加害者にしないための配慮である。また、きちんと努力している子供達が馬鹿を見ることがないように配慮する。これが試験、採点、答案返却では大事なだ。

2017/04/12

水曜日の午後は、非常勤講師に授業を任せる

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水曜日の午後は、会議会議会議。今日も3つある。

中学校にいた時も水曜日は会議だったが、せわしなかった。
子供達は、一旦下校して、再登校してクラブ活動をすることになっていた。

なんで、大学は水曜日の午後は会議会議会議ができるのか。極めて簡単たんな答えである。水曜日の午後は、非常勤講師が教えているからだ。だから、専任教員は会議に集中できる。

さて、これって小中高では不可能なのだろうか?
時間割を組んだことがないのでよくわからないが、非常勤講師に授業を任せるというのは、当たり前ではないだろうか?

そういうと、
「問題を抱えた生徒がいるので、非常勤講師に任せきれない」
という話になっていく。いや、まあ、そうなんだけど、担当の授業内は、生活指導も含めて、非常勤講師の仕事ではないかなあ。

そこでしっかりと責任を持ってやってもらえれば、あとは時間割の組み方というテクニカルなことだけで済むと思うんだけどなあ。しかし、中学校の教員の時、職員会議で問題提起したけど、相手にされなかったなあ。

でも、そうかなあ。
これ、だめ?

2017/04/01

学校が変わるかも

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先日、とある教育委員会の、知り合いの指導主事がこっそりと教えてくれた。いま教育委員会で議論されていて、どうも決まりそうだということを。

1)勤務時間終了で、電話が留守番電話に切り替わります

教員は公務員であって、勤務時間があります。ところが、勤務時間終了後にもがんがん職員室には電話がかかってきます。市役所では考えられませんね。
警察や消防署は、24時間勤務ができる人員とシフトがあるので、当たり前ですが電話はかけられます。ですが、学校はそうではなありません。にも関わらず10時ぐらいにも平気で電話がかかってきます。まあ、出てしまう方にも問題がありますけど。職員室にはいないということがわかると、自宅の電話番号を教えろ!という方もいます。公務員で自宅の電話番号を教える人ってどのぐらいいるのでしょうか。

で、命に関わるような大きな問題は、副校長の携帯電話に繋がります。それ以外は、留守番電話に保存ということになります。

2)受験、受検関連の書類作成には、手数料がかかります

住民票の発行や、戸籍謄本の発行には手数料がかかります。ところが、受験、受検のために使う公文書は、無料です。受験がすべての義務教育を終了する子どものために必要であれば、それもわかります。
ですが、受験、受検は本人の意思で行かなくてもいいところに行くわけです。そのために、公文書を依頼して書いてもらうものです。確定申告をするために住民票を発行してもらうのとかわりありません。ということで、有料になります。ちなみに、一通500円だそうです。

3)授業妨害などは、公務執行妨害で逮捕されます

公立学校の教員は、公務員です。公務員として公務で授業を行っております。この授業を妨害することは、公務を妨害することになります。逮捕には、通常逮捕、現行犯逮捕、緊急逮捕の三種類がありますが、現行犯逮捕の場合、警察官でなくても逮捕できます。
よって授業妨害などの、公務執行の妨害は、逮捕することが可能で、これを実行に移すこととなりました。

4)地域のお店などからの呼び出しに出向きません

「お宅の生徒と卒業生が、うちの店の前の駐車場で屯していて、困る。解散させてくれ」
とコンビニの店長からの電話。さらに、
「お宅の生徒たちが駐車場で遊んでいる。なんとかしてくれ」
とマンションの管理人からの電話。今まではこれらの案件に職員室から出動しておりましたが、これを廃止します。

公務員が一部の特定の企業のために、公務として活動することは、全体の奉仕者として存在する公務員としていかがなものかという声があるため、これを決めました。

5)学校のプリントを印刷するアルバイト学生を雇います

前日の勤務時間終了時までに、原稿と必要枚数などを記入した依頼書を用意すれば、翌日の学活までに印刷を完了しておくという、夢のような教育環境の実現のために、学生のアルバイトを雇います。案内文です。「時給850円で、夕方の2時間程度で簡単に終わります。ですが、先生方が、翌日の準備、会議やクラブ指導に安心して取り組めるための大事なお仕事です」

すごいなあ。
学校が変るなあ。

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