「消極的」進路選択
フェイスブックで無藤隆先生が消極的進路選択という話をされていた。私も思い当たることがある。
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私が中学校で進路指導主任をしていた最後の時には、「消極的」進路選択を勧めていました。やりたいことを目指す。好きなことを仕事にしろ。という『14歳のハローワーク』が出ていた頃のことです。
やりたいこと、好きなことを仕事にするというのは、世の中に大学卒業なら5500種類あると言われている仕事の種類の中で1/5500を狙えと言っているようなもので、それは限りなく難しい。
しかし、『5500あるうちで、どうしても嫌なものを取り除け』とさせると、例えば、嫌なものが1000種類あったとしても、まあなってもいいかなという仕事は4500種類あるわけです。そして、そのように構えた上で、基礎的な勉強をしつつ、自分の特性や出会いや運を取り入れながら、一つの仕事にたどり着くってのがいいのではないかと思って、そう指導していました。
ちょうどインターネットが急激に普及してきた頃のことです。 この先どうなるかわからない時代に、一つの仕事に絞ってしまうのは危険だと考えていました。
好きなことを仕事にする。好きな仕事に就く。
これではないと考えていました。
縁のあったことを仕事にする。就いた仕事を好きになる。
こっちだと思ったのです。
だから、そのようなことを中学生に話していました。
ただ、これからの大学選択は自分の人生の設計の上に、この大学が必要だという流れを示していくことが求められていくと思います。今の時代に、私が中高生だったら、こんなセレンディピティの人生は過ごせなかったのかもなあと思うわけです。
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