ポエム化は、上記の三つとも実態を包み隠そうとするものであって、ポエムとは違う
ポエム化する社会。少し前にNHKで特集されていたなあ。その時は、居酒屋が舞台だったな。ところが、ポエム化する社会だけあって、いろいろなところでポエム化している。
ポエム化する社会では、三つのポエム化があるように思っている。
一つ目。高級感のあるものに、より高級感を持たせるためのポエム化。例えばマンション販売がそうである。一戸ではなく、一邸なんてのはそうだろう。
二つ目。ブラックのものを普通にするためのポエム化。これは例えば居酒屋などがある。激務を働きがいがあるなんてように表現すること。
三つめ。政治もそうじゃないかなあと思い始めている。ただし、政治の場合は隠蔽のためにポエム化するのを感じる。「人づくり革命担当大臣」。だいたいからして、権力側が「革命」なんて言葉を使うこと自体おかしいと思わないのだろうか。その上で、「人づくり革命」ってなんだ? この主語はなんだ? 私は権力側に作られたくないし、大きなお世話だと思う。育ち支援とか学び支援ならまだ分かるけれど、まったくわからないネーミングだ。
ポエムってのは、文学の中でもかなり感覚に頼り、訴える部分がある。
「それを必要としている人」に、届いてしまうものだと思う。
作者が表現したものが、意図せず、届いてしまうものだと思っている。
しかし、ポエム化は、上記の三つとも実態を包み隠そうとするものであって、ポエムとは違う。
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それを前提にしての、このどん兵衛のCMは、なかなか面白い。
https://news.walkerplus.com/article/117334/image646878.html
ポエム化する社会をブラックに笑いながら、その上に乗っている。
そして、よくわからないけど、どん兵衛にインパクトを与えている。
こういうセンスはいいなあと思う。
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詩人は、この実態をどのように思っているのかなあ。