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2018/04/01

"Quickclick"という、早押し対戦型学習ゲームを開発している

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"Quickclick"という、早押し対戦型学習ゲームを開発している。
http://www.quickclick.jp/

これは、TBSテレビのオールスター感謝祭の四択早押し問題にヒントを得ている。
今から20年以上も前のことだ。この番組を見た私は、これを学校でやりたいと思った。
パソコン室の親機から問題を出題し、生徒たちは子機に出てくる問題をマウスを早押しボタンにして解凍する。パソコン室があのスタジオになる。これはとても面白いと思って開発を始めようと思った。

だが、当時の私には、開発費、開発スキル、パソコンのスペックの全てがなかった。ただ、ノートにアイディアだけを書き連ねていた。

大学の教員になった13年前。研究開発としてこれに再び挑戦することにした。学習の仕方としてこれはまだ魅力的だったからだ。開発費、開発スキル、パソコンのスペック。このうち、開発費が足りなくてこの2度目の挑戦もうまくいかなかった。

で、今から4年ほど前に、私の授業のことを面白いと言ってくれる方が突然現れた。初対面で意気投合して、あれこれ話しているうちにこの「早押し対戦型学習ゲーム」のことを語った。そうしたら、
「いや先生、これうちで開発できると思いますよ」
という素晴らしい言葉をもらった。開発費、開発スキル、パソコンのスペックの全てが揃ってしまった。私は、アイディアだけをバージョンアップしながら温めていてなんとかしたいなあと20年思い続けていたのだが、叶ってしまった。

パソコンでもスマートフォンでも、iOSでもウインドウズでもアンドロイドでもなんでも動く。html5のブラウザーが動けば問題ない。インターネットさえ繋がれば、世界中のどこにいる子供同士で、いや、大人も交えて対戦できる。

学習履歴も残るので、子供たちがどの問題に弱いのかもわかる。

今これは、文部科学省の一つの事業として活用していて、子供達に使ってもらっている。
その過程で、本物のオールスター感謝祭で四択問題を作っている放送作家さんに子供達を指導してもらう機会も得た。もうね、感無量ですよ。

だが、このQuickclickの凄さは、それだけではない。
一番は何かというと、自分で問題を作れることにある。
作って学べるのである。

勉強が苦手な子供たちは、一日教室で、先生から出題され、発問され、それに耐え続ける。答えられない状況に置かれ続けるというのは、一種の「教育的虐待」ではないかと私は思うのだ。「お前はできない、お前はバカだ」と言われ続けているようなものだ。

しかし、そんな子供であっても、問題を作る側に回ることができる。20年も前の私の実践で、漢字が全くダメな中学生に「漢字ウォーリーを捜せ」という教材を用意したところ、楽しんで解いただけでなく、自分で自宅で勝手にワープロで作ってきたことがあった。

学力の低い生徒であったが、それはそれワープロというICTツールを使って、実に見事な問題を作ってきた。そして、その問題は私が印刷して授業でやったところ、学力の高い生徒たちが解けなかった。教室に逆転現象が起きたのだ。これが起きるとき、授業は俄然面白くなる。

2年前に、小学校2年生の教室で「漢字ウォーリーを捜せ」の授業をしていたら、なんと休み時間に自分で手書きで「漢字ウォーリーを捜せ」を作っている子供がいた。これ、見方を変えると勝手に漢字の書き取り練習をしていることになるわけです。

作って学ぶというのは、出題者のポジションに立てるのだ。
自分だけが答えを知っていて、みんながうんうん考えている姿を見ていることができるのだ。いや、やや下品かもしれないが、一種の快楽でもある(^^)。少なくとも教育的虐待を受け続けている子供には、このポジションに立つのは許されても良い。

「漢字ウォーリーを捜せ」だけでなく、私の実践はこの「作って学ぶ」というスタイルをとっていることが多いことがわかった。いや、本当に。『スペシャリスト直伝! 中学校国語科授業成功の極意』(明治図書)を書いて見て、わかったのだ。それまでそんなに意識はしていなかったのだが、はっきりとわかった。

Photo

実はこの作って学ぶは、教育学者ブルームが提唱している教育目標の分類学(ブルーム・タキソノミー)の、認知過程の次元で、最上位にある⑥創造に該当するものだと考えている。次期学習指導要領は、現状の①から③を重視しているものから、④から⑥を重視するものへと変わっていく。この④から⑥が「深い学び」だと私は考えている。(表は、中教審 教育目標・内容と学習・指導方法、学習評価 の在り方に関する補足資料 ver.5より)

アメリカの医学教育、解剖学では、

"See one, Do one, Teach one"

という考え方がある。「見て覚える。やって覚える。教えて覚える」である。一回生は、見て。二回生は、やって。三回生は後輩に教えて覚えるのである。この中で一番学習効果が出るのが教えて覚えるである。

現在私は、この教えて覚えるの周辺か先に、作って学ぶがあると仮説を立てて学習材開発を行っている。そのうちの一つが、このQuickclickなのだ。

日本中の子供たちが、いや、インターネットに繋がった世界中の子供達がこのQuickclickを使って
遊びながら、学習をして欲しいと思って開発している。

(やって見たいなあ)というお問い合わせは、ブログの一番上にあるメールフォームからお待ちしております。

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