« 2017年12月24日 - 2017年12月30日 | トップページ

2018/01/04

『ヴルスト! ヴルスト! ヴルスト!』

41r9b5aztl_sx342_bo1204203200_

『ヴルスト! ヴルスト! ヴルスト!』(原 宏一)
年末年始で読んでいた本。
この作者は初めてであったけど、良かったなあ。

たまたま
(京都で美味しいヴルストが食べられる店は、どっかにないかなあ)
と思ってネットで検索していたら見つけた本。

ヴルストというのは、いわゆるソーセージ。フランクフルトのこと。
ドイツのミュンヘンでこれを食べた時、その美味しさに度肝を抜かれた。
こんなのが日常で食べられるのかと思った。

で、何かのご縁だと思って読んだのだが、面白かった。


以下ややネタバレ

登場人物は還暦間近の男と高校卒業認定試験を受けようとする高校中退生。
この2人が取り壊しが決まった古いアパートに住んでいるところから、物語は始まる。

途中でドイツへの試食旅行も出て来るのだが、私が食べたミュンヘン駅のことや、あれこれが出てきてもう懐かしい。また、ドイツで食べなかったさらに美味しそうなものまで出てきて、
(次に行った時は、絶対食べてやる!)
と思ったのでありました。

本書の中で、作者が一番言いたかったことは多分次のセリフではないかと思う。

「”傾向と対策”だけで受かる世界に進んでどうなるって思ったんだ。”傾向と対策”だけじゃどうにもならない世界に進んでこそ、人生面白いわけだしさ」

実にその通り。いいなあ。
料理系の小説って読んだ記憶はあまりないんだけど、これ、おすすめです。

2017/12/31

30年経って、それは間違っていなかったことがわかった

Img_5303 中学校の現場にいる時、いや、その前の塾の講師をしている時から、ずっとやっていたのは、名言を生徒たちに紹介すること。
塾の講師の時は、漢字テストの裏に書いて紹介し、中学校の教師の時は授業開始の最初の時間に黒板に書いていた。
アンソロジーノートというものを一冊用意させて、生徒に書きうつさせていた。
私が考えていたのは、いい言葉を体に埋め込んであげたいということ。私の説明や解説や説教でも言葉は使う。しかし、当たり前だが、それよりも素晴らしい言葉が世の中にはたくさんある。
私の言葉でやれば、私は自己満足するけど、それよりもいい言葉を紹介することの方が大事だと思っていた。
いい言葉が体に入っていれば、それは醗酵したり芽を出したりして、やがて子供達の人生を支えたり、励ましたりしてくれることになるだろうと思っていた。詩短歌俳句、気に入ったフレーズ、文章、名言を5分から10分かけて黒板に書いて書き写させていた。時には、1時間書くだけの授業もしていた。
昨日の最初に担任した子供達との同窓会で、30年経って、それは間違っていなかったことがわかった。
「先生、ネロって詩、今でも覚えています。『すべての新しいことを知るために そして すべての僕の質問に自ら答えるため』にですよね」
「先生、『ふらんすへ行きたしと思へどもふらんすはあまりに遠し』ですよね」
「先生、『春さん、タコのぶつ切りをくれえ、それも塩でくれえ』ですよね」
いやあ、みんなよく覚えている。
そう、覚えてくれている。
それが彼ら彼女らの人生を支える何かになっていたようで、とても嬉しかった。
今は、自分の修行として毎日少しずつ書き写している。言葉を自分の中に入れること。入っていなければ、出ていかない。そして、人間の体は、入れておけば、不思議なことに色々なものになって出てくる。
年越しそばを食べながら、昨日のことを嬉しく思い出していた。

« 2017年12月24日 - 2017年12月30日 | トップページ