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2019/04/28

それは「根雪」を作ることだ。

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「コツコツとがんばります」

と若者は言う。真面目な若者ほど言うような気がする。しかしコツコツ頑張ったところで、実はあまり成果は無い。正確に言うとコツコツする前に、やるべきことがあるのだ。

それは「根雪」を作ることだ。
パラパラと降った雪は積もらない。一気にどかっと降った後にパラパラと降る雪は積もる。根雪を作ることだ。

学生時代は授業の課題や、先生の指示でとにかく文字をたくさん書いた。冗談抜きで、書いている途中で鼻血が出る位集中して書いた。書いても書いてもうまくならず、それでも書いて書いて書いた。

小学校の1年生から書いていただけだから、書けないわけではなかった。しかし、私が書いていた文字は単にお習字の文字でしかなく、書道の文字ではなかった。だから書けないまま、なんとか書こうと思って書き続けていた。

ひらがな、特に「ひ」が最後まで書けなかった。もがいてもがいて書いたものを、恩師の佐野光一先生のところに持っていってご指導を仰いだ。

「池田、こう書けばいいんだよ」
と先生が書かれたその「ひ」は、なんとも見事で、一瞬にして
(あーそうか)
と私の中にストンと落ち、その後書いてみたら何の事は無い、書けてしまったのだ。

多分、それは私が閾値に出会った瞬間なのだと思う。すっと成長したのをよく覚えている。その後書けるようになったのが嬉しくて、またずっと書き続けていた。気がついたら書いていた。

コツコツ続けると言うのは、この先のことである。根雪というのは、閾値に達するための積み重ねである。根雪ないままコツコツ続けるのは、自己満足で終わることになる場合がある。

大人になって趣味でやるなら、コツコツも良いが、若者は根雪を作ることに力を入れて注ぐことが大事だと私は思うのだ。

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