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2020/02/22

「先生、これ没収して」

 

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新任の時、K君と言う生徒を担任した。

割と幼い子供で、国語はあまりできる子供ではなかった。

その子供が授業中に目を輝かせたことがある。それは私が

「と言うことでピラミッドから抜け出せない池田です」

とドラクエ3にはまっているときに呟いた時だ。その時は、なんだかよくわからなかったが。

 

授業後彼は私の所にやってきて「先生、あそこはミミックがいるからダメだよ」などと丁寧にレクチャーをしてくれた。私はその時『私は君にとっての先生だが、君は私にとってはドラクエの師匠だ』と言って教えてもらった。

 

すると嬉しそうにあれこれ教えてくれた。こんなに話せる子供なんだと驚く私。

 

数日後、師匠は「先生、これ没収して」と言いながら、ドラクエの攻略本を渡してくれた。授業に関係のないものは持ってきてはいけないと言う校則があり、師匠は没収を自ら試みて弟子の成長を促したのである。抜群の言語感覚である。

 

中を見たら驚いた。「召喚魔法」とある。誓っていうが中学校一年生の時の私は「召喚」なんて読めもしないし意味もわからない。しかし、K君は読めて使いこなしているのである。そう、彼にとってはドラクエの攻略本は、漢字のドリルでもあったのだ。これは衝撃であった。

 

今の子供たちに攻略本で漢字のテキストを作ろうと思ったが、今の子供は攻略本を読まずにyou tubeだという。文字文化は攻略本からも撤退をしているのかと恐ろしくなった。

 

それならば、youtubeで教材は作れないかと考えて、開発している。

 

そして、今は「ツムツム」である。アラカンの私がツムツムでもないだろうが、娘がハマっているので、付き合っている。そして、娘を師匠にしてあれこれ教えてもらっている。

 

私にはキャラクターがほとんど同じに見えるし、スキルもよく覚えられない。ところが娘はそれを難なくやる。

 

(ああ、Kくんは元気かなあ)と思いながら、新幹線の中で必死にコンボして、娘に追いつくようにハイスコアを更新しようとしている。

 

今のお気に入りのツムは、ジャスミン(チャーム)で280万には届きました(^^)。

 

子供を師匠にするというのは、実にいいものです。

 

 

バズったので吉例として宣伝です。

料理の本も書いています(^^)

100円です。

 

https://books.apple.com/jp/book/5%E5%88%86-5%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%83%E3%83%97%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%81%98%E3%82%81%E3%82%8B%E6%96%99%E7%90%86/id1043474676

 

 

ドラクエ3には召喚魔法はないとのご指摘をいただきました。ありがとうございます。FFと記憶が混ざっているかもしれませんね。なんだったかなあ。思い出せるかなあ。何せ30年以上も前の話なので。

 

 

因みに私は父の持っていた『のらくろ上等兵』という漫画で小学校の、四五年生の頃に、歴史的仮名遣いと旧漢字を学んでいました(^^)

 

 

後から知ることになりますが、このような教材の作り方は「下からの教材づくり」と言われています。

 

われわれは日常、さまざまな情報に接しているが、その中で、子ども の興味や関心を引きそうな事実にゆきあうことがある。そのとき、素 材のおもしろさがまず発見され、しかるのち、事後的にその事実を分析し、おもしろさの意味を反すうして、その素材がどんな教育内容と 対応しうるかという価値が見いだされる。このような過程を指して、教材づくりにおける「下からの道」というわけである。 『教材づくりの発想』(日本書籍 藤岡信勝著)

 

ということです。

 

 

また現在私が教育コーチとして関わっている経産省の「未来の教室」https://learning-innovation.go.jp は、 EdTechを活用して、一人ひとりに最適な学習方法を用いて育てていこうというものです。個別最適化の学習を目指しています。文科省のGIGAスクールと両輪でやっていこうということです。繋がってました。

 

また、ゲーミフィケーションを学ぶには、『幸せな未来は「ゲーム」が創る』が好著だと思います。

 

https://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/113756.html

 

 

https://youtube.com/watch?v=jRvwFyu3D5M&t=297s…

 

では、冒険に出かけるとしますか(^^)。

 

 

 

*ドラクエには、召喚魔法はないとの指摘を受けました。が、召喚魔法は無くても、攻略本には「召喚」の漢字はあったのではないかとのご指摘も頂きました。召喚の漢字の記憶は鮮やかに残っているので、多分そうではないかと思います。ご指摘いただいたみなさん、ありがとうございます。

2020/02/20

それが、クリエイティビティを促す

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  MacOSのバージョンアップに従って、新しい機能が追加される。

しかし、Macの側からはこれはこのように使いましょうというような指示はいつもない。

 

こんな機能ができましたよというアナウンスはあるが、こう使いなさいという指示はない。

ここが実はとてもいいんだよなあと思う。

 

今の自分の生活に不満があって、それをなんとかしたいなあと思っている人にとっては、このバージョンアップで(うおおお、あれができるじゃん)となる。

 

他には、

(これ、なんに使うんだ?)

と考える人もいる。

 

さらに、

(こういうことしたいんだけど、これってできるの?)

と調べてみると、もうすでにできるようになっていることが多い。

 

 

指示に従うんじゃなくて、自分の必要性や興味に答えてくれるというスタンスでマックは存在していると思うのだ。

 

それが、クリエイティビティを促すのだと思っている。

やらされているところに、クリエイティビティは生まれにくい。

 

多分、私はMacOSの機能の1割も使いこなせていないと思う。

だから損しているという考え方もある。

でも、必要のない機能を使えるようにする必要はない。

必要な機能が心地よく使えれば良い。

 

そんな風に思う。

1、2年ではダメだ

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秀吉が下足番をやっていた時、信長の草鞋を抱えて温めていたという逸話は有名だ。下足番一つを取っても工夫の仕方があるということだ。

 

 

かつて、学生時代にアルバイトをしていた喫茶店で聞いた話がある。その喫茶店の親会社の社長さんがいつも出かけていくとあるデパートの社長室では、おいしい日本茶がいただけるというのだ。

 

何がおいしいと言って、いつも適切な温度で出てくるというのだ。それはどんなお客さんが行ってもそうなのだそうである。そこの秘書室のお茶を出す係りの人は、お客さんのお茶の好み、濃さや温度を全て記録してそれで出していたとのこと。

 

つまり一人一人が納得するお茶を出していたのだ。だから、全員がおいしいと感じるのであったのだ。

 

このことを知ったとある社長さんは、この秘書の人に店を出してみないかと出資を持ちかけたそうだ。そして、この人は多摩地区では結構有名な雑貨店を出して成功したのでした。

 

 

「私はお天気お姉さんになるために、キャスターになったんじゃない」

と新人女子アナウンサーは、配属されたお天気コーナーをやっていてあるとき、母親に愚痴をこぼしたそうだ。彼女は政治や国際情勢を語るアンカーになりたかったそうだ。

 

母親は娘にこう言ったそうだ。

「あなたね。お天気お姉さんをバカにしているようだけど、天気予報に一生をかけて仕事にしている人もいるのよ」

と。

 

彼女はそれこそぶん殴られたような気がしたそうだ。それから考えを改めて、天気のことを勉強し、スタッフの人たちにもどんどん質問をして天気に詳しくなろうとしたそうな。

 

そうすると、スタッフもその姿を見て色々と教えてくれるようになり、天気のことも詳しくなり、アナウンスもよくなったそうだ。

彼女は田丸美寿々さん。その後の彼女の活躍はここから始まったそうだ。

 

 

そうなんだと思う。

今やっている仕事をただルーティンとして熟しているだけではダメで、そこに改良を加え、深みを増しとしていくことが大事なのだ。

 

仕事とは、事に仕えること。

その事にどのように仕えるかによって、人は磨かれるのだと思う。そして、その姿は見る人が見てくれている。そして、その人はあなたにチャンスを与えてくれることがある。

 

12年ではダメだ。

5年、10年とやっている中でチャンスは与えられる。

揺るがず弛まず飽きずに事に仕えることで、道は開かれるのだると思う。

2020/02/14

「低めを、狙え」

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野村克也さんの言葉で、とても印象に残るものを1つ上げろと言えば、これだ。

 

野村さんが監督の時、相手のピッチャーの球がとても良いことがあった。特に高めが良い。そこで、選手には

「高めは、打つな」

と指示を出した。

 

ところが選手は、次から次へと高目に手を出して凡打に終わってしまっていた。

 

監督は困った。

そして考えて指示を変えた。

「低めを、狙え」

と。

すると選手たちは、次から次へとヒットを打ち始めたのであった。

 

日本語は否定の言葉が最後にくる。言いたいことは否定であっても、最後に否定が来ると誤解を招きやすい。

 

選手は「高めは、」と言う言葉を聞いたとき、意識は高めに向かってしまっている。人間の脳は、物事の最初を大事と思うようにもできている。「高めは、打つな」と言っても「高め」を打ってしまうのはこういうわけなのだ。

 

だから、指示を出す時は肯定表現でしなければならないのだ。

 

生徒に指示を出す時も同じ。私は、肯定か勧誘で指示を出すように心掛けた。教師として、この指示はとても勉強になった。

 

野村克也さん、ありがとうございました。

合掌。

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