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2020/02/14

「低めを、狙え」

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野村克也さんの言葉で、とても印象に残るものを1つ上げろと言えば、これだ。

 

野村さんが監督の時、相手のピッチャーの球がとても良いことがあった。特に高めが良い。そこで、選手には

「高めは、打つな」

と指示を出した。

 

ところが選手は、次から次へと高目に手を出して凡打に終わってしまっていた。

 

監督は困った。

そして考えて指示を変えた。

「低めを、狙え」

と。

すると選手たちは、次から次へとヒットを打ち始めたのであった。

 

日本語は否定の言葉が最後にくる。言いたいことは否定であっても、最後に否定が来ると誤解を招きやすい。

 

選手は「高めは、」と言う言葉を聞いたとき、意識は高めに向かってしまっている。人間の脳は、物事の最初を大事と思うようにもできている。「高めは、打つな」と言っても「高め」を打ってしまうのはこういうわけなのだ。

 

だから、指示を出す時は肯定表現でしなければならないのだ。

 

生徒に指示を出す時も同じ。私は、肯定か勧誘で指示を出すように心掛けた。教師として、この指示はとても勉強になった。

 

野村克也さん、ありがとうございました。

合掌。

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