「低めを、狙え」
野村克也さんの言葉で、とても印象に残るものを1つ上げろと言えば、これだ。
野村さんが監督の時、相手のピッチャーの球がとても良いことがあった。特に高めが良い。そこで、選手には
「高めは、打つな」
と指示を出した。
ところが選手は、次から次へと高目に手を出して凡打に終わってしまっていた。
監督は困った。
そして考えて指示を変えた。
「低めを、狙え」
と。
すると選手たちは、次から次へとヒットを打ち始めたのであった。
日本語は否定の言葉が最後にくる。言いたいことは否定であっても、最後に否定が来ると誤解を招きやすい。
選手は「高めは、」と言う言葉を聞いたとき、意識は高めに向かってしまっている。人間の脳は、物事の最初を大事と思うようにもできている。「高めは、打つな」と言っても「高め」を打ってしまうのはこういうわけなのだ。
だから、指示を出す時は肯定表現でしなければならないのだ。
生徒に指示を出す時も同じ。私は、肯定か勧誘で指示を出すように心掛けた。教師として、この指示はとても勉強になった。
野村克也さん、ありがとうございました。
合掌。
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