2017/03/24

『果断 隠蔽捜査2』(新潮社 今野敏)を読み終える。

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『果断 隠蔽捜査2』(新潮社 今野敏)を読み終える。
いやあ、まずい。
ジワジワのどんでん返し。
素晴らしい。
とても面白い。
腰の痛みも忘れるほど最後は熱中して読んでしまった。
学会の発表の準備も終わっていないのに、このシリーズの第二巻は読み終えてしまった。二日で一冊のペースだ。非常にまずい。
だけど、面白いってそういうことだよね。
いま手元には、『疑心 隠蔽捜査3』もある。
いやあ、さすがに学会の発表が終わるまでは読まないつもり。
しかしねえ、しなければならない時にそれをしないで、読みたい本を読むってのは快楽の中の快楽なんだよねえ。後で相当の地獄がやってくるんだけどねf(^^;
とりあえず、今宵は我慢(^^)。

2017/03/23

『隠蔽捜査』(新潮社 今野敏著)を読み終わる

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『隠蔽捜査』(新潮社 今野敏著)を読み終わる。
警察ものの小説だ。
私の読書の範疇に入っていないジャンルだ。
今回、『書く力 私たちはこうして文章を磨いた』(池上彰 竹内政明 朝日新書)
で、池上さんがファンだというので、試しに読んでみた。
いやあ、面白かった。
特に最後の1/3は一気に読んでしまった。
幼馴染の警察官僚、主人公の家族、二つの事件。
これらを通して、警察官僚の世界を描いて行く。
警察官僚というものが、この小説に書かれている通りだとは思わない。しかし、リアリティを感じながら読み続けて行くことができる。
仕事とは、家族とは。
こう書くとあたりまえのテーマであるが、まあ、読ませる。
317ページ。
春休みに楽しめる本だと思う。

2017/03/14

【新刊】  スペシャリスト直伝! 中学校国語科授業成功の極意

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新刊が出ました。『
スペシャリスト直伝! 中学校国語科授業成功の極意』という本です。国語を実技教科にしたいと考えて実践を重ねてきた記録を書きました。以下、いくつか書いたうちの一つの、「おわりに」を掲載します。



本書は、池田が中学校の教員の時にしていた国語の授業実践を、書き尽くしたものです。授業観、授業の作り方、授業の内容、授業の仕方、授業の評価などについて書き連ねました。

教員になって17年目に大学院に派遣されることになり、その後色々とあって大学に異動することになりました。19年間中学校の教師をしていたので、大学院派遣の1年間を除いた18年間の授業を元にして書いたことになります。それを大学に移って11年目にまとめて書けるとは、実にありがたいことです。

青梅市立吹上中学校校長で敬愛していた蛭田容之先生は、ご退職の時「池田さん、僕はね、職業人としてはここで死ぬんだよ」と言われていました。20代の若造の私にはそれが何を意味するのかは全くわからなかったのですが、今はわかります。中学校の教員を辞めたということは、私は一度職業人として死んだことになります。その記録を本書に残すことができたということは、とても幸せなことだと思っています。

本書を読んでくださったみなさんは、どのような感想を持たれたでしょうか。

(一体、なにやっているの?)と思われたでしょうか。それとも(へー、なかなか面白いねえ)と思ってくださったでしょうか。

私は、生徒たちが「言葉って面白いなあ、国語って楽しいなあ、できるようになったなあ」という思いを抱けるように授業を作っていきたいと考えていました。しかし、「だから、何が何でもこの方法でやりなさい」ということはしてきたことはないと思っています。

私は(この生徒たちが欲しているものは何か。どんな力をつけるべきなのだろうか。どういう方法が彼らには合っているのだろうか?)と考えながらやってきたつもりです。生徒たちが魅力的だったおかげで、その生徒たちに応じた授業を作ろうとしてきました。もし、(一体、なにやっているの?)と思われたなら、私に問題があります。もし、(へー、なかなか面白いねえ)となっていたとしたら、それは生徒たちの魅力を引き出すことに成功したのかもしれません。そうだったら嬉しいです。

本書を校正している最中に、中央教育審議会の答申がなされ、新しい学習指導要領の方針が決められました。2020年からの大学入試改革もあり、教育界は大きく変わろうとしているときに、過去の本を書いてもどうなのか?ということもるかもしれません。しかし、ちょっとだけ自慢をすれば、結構時代を先取りしていたなあという思いもあります。実は20年前にこんな試験問題も出していました。子供達に圧倒的な人気のあったTHE BLUE HEARTSのTRAIN-TRAINの歌詞からの問題です。

『問1「栄光に向かって走る、あの列車に乗って行こう」とあるが、「あの列車」とは何か述べよ』『問2「見えない自由が欲しくて見えない銃を撃ちまくる」とあるが、「見えない自由」「見えない銃」を説明せよ』

これからの教育は、唯一の正解を理解させていく教育から離れます。知識を前提にして活用し、社会で生きていく力を獲得するための教育へと変わっていくことでしょう。それを可能にする授業は、集団で、継続的に学び続ける授業。生徒の実態から始まって、社会に出てから役に立つ授業。それを知的に、興奮できて、楽しく学べる授業を通して行われていくことが必要になると思っています。私もそうでありたいと思い実践してきました。

さらにこれからはここに人工知能の活用が加わって、イノベーティブな人を育てる授業づくりが中学校で行われいくんだろうなあと思っています。私も大学で学生相手にそんな授業づくりのあり方を考えていきたいと考えています。

最後に、お礼を述べたいと思います。

じっくりと原稿の進み具合を待ってくださった、編集部の及川誠さん。実に丁寧な校正をしてくださった、西浦実夏さん。ありがとうございました。実践初期の記録を丁寧に読んで整理してくれていた妻。中学校での実践の後に生まれてきてくれた娘。二人のおかげでじっくりと本書に向き合うことができました。ありがとう。この授業開発・実践を、私と一緒にしてくれた青梅市立吹上中学校、昭島市立瑞雲中学校、八王子私立楢原中学校、杉並区立和田中学校の魅力的な生徒のみなさんに、心から感謝の意を表したいと思います。ありがとう。

そして、最後まで読んでくださったみなさん、ありがとうございました。何かのお役に立てば嬉しいです。



こちらから注文できます。よろしくお願いいたします。

2017/02/23

『書く力 私たちはこうして文章を磨いた』(池上彰 竹内政明 朝日新書)

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『書く力 私たちはこうして文章を磨いた』(池上彰 竹内政明 朝日新書)

絶品の一冊であった。

新聞、テレビという報道ではあるがその性格の違うメディアで文章を書くといこと、伝えるということを生業にしてきた、してきている二人が対談形式で文章を書くことの極意をこれでもかと開陳している本だ。

この本は、いわゆる論理的な文章を書くための本というのではないかもしれない。しかし、向田邦子さん系のエッセイのような文章を書くためには、とても勉強になる本だと言える。

自分たちが書いてきた文章を俎上に載せ、または自分たちが勉強してきた文章を例にして文章を書くにはどうしたらいいのか、いい文章とは何がどのようにすごいのかを具体的に解説している。

時には
(あれ、これは)
と私が授業で生徒や学生たちに話している作文のスキルの話も出てきて、
(をを、私もまんざらではないな)
と嬉しく思うこともあった。
勿論、全くかなわないがf(^^;

あまりにも面白く、もっと勉強したいと思ったので、この本の中に出てくる本は全て注文してしまった。

もっと書けるようになりたいと思っている人に、お勧めの一冊だ。

2016/12/06

『わたしたちの「撮る教室」』

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石川晋さんから最新刊をいただいた。『わたしたちの「撮る教室」』だ。ありがとうございます。

おそらく、類書はないと思う。
いま、こうして学級の学校の実践をそのまま出せる環境にある先生(もちろん、その環境は実践家が作って行くのだが)がいないことが一つ。また、個人情報の保護のことからが一つ。ということで、貴重な本だと思います。

自らの歴史を綴る権利が、ユネスコの学習権宣言には学習権の一つとして挙げられていますが、たぶん、この『わたしたちの「撮る教室」』は、その文脈に位置付けられるのだと思います。

それも、連続型テキストではなく、非連続型テキストのテキストの一例として。

私も学生たちに出版せよと言い続けています。電子ブックであっという間にできますから。出版学習が身近なところに来ていると思っています。その際にも、この本は貴重な学習資料になると思いました。

2016/10/21

新刊がでました。『教師のための教育学シリーズ6 教育課程論』

Img_4348 新刊がでました。『教師のための教育学シリーズ6 教育課程論』(山田雅彦編著 学文社)。大学の教科書で使うことを想定した本です。
池田は、第7章「子どもとともにつくる授業」を担当しました。
なぜ授業は計画通りにいかないのか。授業における揺れとズレ。そして、それは何を意味していて、どうすればいいのかなどを元に書きました。
みなさんのお手元に届きますように。

2016/09/09

『魂の退社』(稲垣えみ子 東洋経済新報社)を読み終えた

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『魂の退社』(稲垣えみ子 東洋経済新報社)を読み終えた。

私の敬愛する元校長の蛭田先生は、ご退職の時
「池田さん、退職というのはね、職業人としての死なんだよ」
とおっしゃっていた。その時は、なんだかよくわからなかったが、10年前に中学校の教師を辞めた時、この言葉を思い出した。

幸いにしてこの退職は、大学への転職ということとなり、死と再生を1日で行うことができ職業人としての死というのはあまり実感しないでいた。

しかし、そろそろ残り時間が気になり始めている。まだまだではあるが、20代の時とはまったく違う感覚があるのは事実。

『魂の退社』の著者の稲垣さんは、朝日新聞の社説を書き、エッセイなども書いていた人。アフロヘアの新聞記者といえば、それはそれで有名だからわかるだろうか。

本書は、なぜアフロヘアにしたのかの話から始まり、実は、そこから退社への道がいつの間にか出来上がっていき、会社を辞めるということはどういうことなのか、仕事とはどういうことなのか、お金とは何なのかなどを実体験に基づいて考察しながら書いている本である。

会社に社会保障の部分は任せっきりで生きてきたため、世の中の仕組みなどに関して、そんなことも知らないの?と私でも突っ込みたくなることが満載でもあったが、それを隠さずに書きそこから社会の仕組みの歪みの部分を明らかにしているのは、面白い。

「会社は修行の場であって、依存の場ではない」
という考え方にたどり着くまでの、変遷を書かれています。これは、新入社員の時代に読み、その後40代で読み直すといいんじゃないかなあと思う本でした。

『魂の退社』となっていますが、実は『魂の代謝』と掛けているのかなあとも思った次第です。

よかったです。

『子どもの頃から哲学者』(苫野一徳 大和書房)を読み終える

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『子どもの頃から哲学者』(苫野一徳 大和書房)を読み終える。

若き哲学者、苫野一徳さんの半生を振り返りつつ、哲学との出会い、哲学との格闘、哲学による救済をユーモアたっぷりに書いた本だと言える。

このユーモアは、潜り抜けてきた人にしか書けないユーモアだなあと思う。また、潜り抜けてきた人が読めば、単なる笑いではなく、読者のヒリヒリとした悲しみの傷跡を思い出させる笑いだということがわかる。

本書は、苫野さんが哲学を通して死と再生を繰り返しながら成長していった記録である。成長の過程で出会う哲学者の考えによって、苫野青年は、魂の死と再生を繰り返す。その記録は、哲学の紹介にもなっている。また、後期青年期の発達課題へのヒントにもつながっている。

音楽、宗教、哲学と変遷を経ながら、承認欲求という人間の根っこにあるどうしょうもない業を受け入れていく、乗り越えていく様子が描かれている。

生物学には、「個体発生は系統発生を繰り返す」という仮説がある。この本を読んでいると、それは精神にも同じことがいえるのではないかと思える。

ストア主義から始まる承認欲求への解答のあり方は、ヘーゲルを通して学べ、デカルト、カント、フッサールなどを経ながら、相互承認へと導かれていく。この流れの中に苫野少年、青年は「個体発生は系統発生を繰り返す」ように成長していく。

実を言えば、私だって多少はここに描かれている悩みや苦しみを少年、青年時代には体験している。しかし、私は哲学に向かわなかった。教育に向かった。教育実践に向かった。
(それはなんでだったかなあ)
なんて思いながら、読み進めた。

青年期に突入する若者も、青年期を終えた若者だった者にも、おすすめである。

2016/03/06

『地団駄は島根で踏め 行って・見て・触れる 《語源の旅》』を読む

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やってみてから
(ああ、これがやる前にあったらなあ)
と思うことが私にはよくある。
今回の「かるたの絵札を作って学ぶことわざの授業」もそうであった。

「連続型テキストの読解を、非連続型テキストの表現から導く指導に関する一考察」(京都橘大学研究紀要42号)にまとめた大学での授業の様子である。

この実践をやるときに、私の中では、あれとこれとそれがこのように結びついて、こういう結果を出すと思うんだよなあと思いながら授業を組み立てる。今までにやってきたことと、目の前の学生と学習内容と学習するための材料が見えてきた時、
(よし、やろう)
ということになる。

そして、それをやった後何らかの形でまとめる。今回は紀要論文にして、多くの方に見ていただく機会を得た。

先日関西授業づくり研究会に足を運んだのだ。当日の講師は大阪の民間校長で、かつて「アメリカ横断ウルトラクイズ」の構成作家をされていた、わぐりたかしさんであった。その日の中心となる「笑育」の話も面白かったが、私が興味を持ったのは、「語源ハンター」としてのわぐりさんの一面であった。

滋賀県に引っ越してきた私は、その土地の歴史をそれなりに勉強してみようと思って中学校の社会化レベルのものをざっと勉強してみた。さすが滋賀である。石を投げれば歴史に当たる土地だ。実際、私の住まいは、万葉集の第1期の歌人が住んでいた場所であり、自宅の対岸には松尾芭蕉の墓があり、裏山の比叡山には紀貫之の墓もある。とんでもない場所なのだ。

その勉強をしている時に、面白いものを見つけた。
「急がば回れ」
である。これはことわざとして教えられるものである。ところが、この「急がば回れ」は、ことわざではなく、故事成語であることがわかったのだ。

旧東海道と中山道が交わる場所が、滋賀県の草津市である。そこから東海道のゴール(京都の人にはスタート地点と怒られるが)の三条大橋までは、大津を経由していくことになる。その時草津からは、路銀が余っている者は観光も兼ねて、急ぐ人はそのために、船で琵琶湖を行き、大津で下船、その後徒歩で逢坂の関を越えて山科、蹴上と歩みを進めて三条大橋に到着するということになる。http://gpscycling.net/tokaido/tokaido.html

ところが、このルートに一つ厄介なことがある。
船で琵琶湖を行く時、比叡山から突風が吹きおろすことがあるのだ。私はこの突風の様子を何度も見たことがある。綺麗に晴れた琵琶湖が、突然嵐になる。気持ちよく走っていたヨットはあっという間に転覆することがある。比叡颪(おろし)という。この比叡颪が草津から大津まで運ぶ船を転覆させるのである。

そうなると観光はおろか急いで三条大橋に向かおうとする人たちは、時間を食うことになる。だから、「そうならば、船なんか乗らないで陸路で行け、琵琶湖から出て行く唯一の川にかかる瀬田川にかかっている瀬田の唐橋を渡っていけ、急ぐなら回るんだよ」と言うのが、急がば回れなのであった。

これは江戸時代に書かれた落語のルーツ本の『醒睡笑』には、「武士(もののふ)のやばせの舟は早くとも急がばまわれ瀬田の長橋」で室町時代の連歌師宗長(そうちょう)の歌として残されている。

ということは、この言葉は、誰が作ったかわからない言い伝えの教訓の言葉であることわざではなくて、出来事を基に作られた故事成語なのだということがわかったのだ。

ちなみに、この『醒睡笑』を書いたのは安楽庵策伝であり、そのお寺は、京都市中京区新京極通にある、誓願寺である。修学旅行で買い物をするのは新京極が多いが、行ったことのある人なら、必ず前を通っているはずである。

ということぐらいは知っていたのだが、わぐりたかしさんは、これに留まらず、その場所まで出かけていて現地調査をしているのだ。そして、それが一冊になったのが『地団駄は島根で踏め 行って・見て・触れる 《語源の旅》』(光文社新書)なのだ。

もうね、ことわざと思っていた言葉が次から次へと故事成語だったのだということを証明してくれる。実に面白い。
(ああ、この本を先に読んでいれば)
と思うのだ。

「縁の下の力持ち」は今回の大学の学習で扱ったが、この本を読んでいれば違うアプローチができた。「椽の下の舞」だとは思いもよらなんだ。四天王寺で行われているものだなんて、知らなんだ。ああ、くやしい。

だけどとも思う。
実践をしたから、論文を書いたから『地団駄は島根で踏め』に出会えたんだともう思う。実践したから、そこに関するアンテナが高くなって、出会えたのだとも私は思っている。

で、さらに思う。滋賀は他にも有名どころでは「油断大敵」「ろれつが回らない」の原産地でもある。京都なんて「とんちんかん」「後の祭り」「埒があかない」などもある。あれこれアイディが浮かぶ。
『ああ、なんとかならないかなあ』
と今朝の風呂読書で叫んでいたのでありました。
た、楽しい。

写真は、油断大敵のルーツの比叡山(^^)。

2016/01/06

新任1年目を生き抜く 教師のサバイバル術、教えます

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年末に「お歳暮」を送った所、「お年賀」を頂いた。『新任1年目を』本。

あっという間に読める。

簡易な言葉で書かれているから、スラスラ読める。

しかし、深い。

あっという間に読めるだけに、ここに書かれていることが本当は何を意味しているのかが分からない新人もいるだろうなあ。

書かれていることは、空を飛べだとか、毎朝素振り100回だとか、不可能なことや激しいことはない。寧ろ逆。

(え、そんなこと?)

と思われるようなこと。だから、その意味について理解が難しいかもしれない。

例えば、

「学校の書類の多くは、「あれば」いいのです」

なんてのは、

(本当?)

と思うでしょうが、本当なんです。

他にもそのようなことが満載。

これは、今年卒業して四月から教壇に立つ学生達に読ませたい。

また、来年度以降も読ませたいので、私の学生に読ませたい本のリストに加えさせていただこうと思います。

西川先生ありがとうございました。

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