2017/11/16

国宝展、第4期は、書道の世界ではとても素晴らしいものが揃っている

Img_5879 国宝展、第4期は、書道の世界ではとても素晴らしいものが揃っている。いわゆる三蹟が全部そろっている。その中で私がやっぱり好きなのは小野道風だ。佐理もいいし行成もいいだけどもやっぱり道風だ。


佐理も行成も道風も、王羲之をしっかりと学んでいたことが本当によくわかる。同じ部屋に三人がいるから、真筆を見比べ放題。幸せ。


王羲之を勉強してない人には、どこがどのように王羲之なのかはわからないだろうが、王羲之を学んでいる私には、よくわかる。勉強しておいて良かった。やはり、「知識はものを見る眼鏡である」(有田和正)。


その三蹟が学んだ王羲之を、今も学べると言うのは実に面白い、楽しい。



小野道風は「三体白氏詩巻」が出てた。三体と言うのは楷書行書草書のことを言う。楷書から書き始められた文字は、途中で行書に変わり、最後は草書で作品として締めくくられる。一つの作品に、三つの字体が出てくるのだ。それでいて、バランスが取れて美しいのだ。


もうね、たまらないですよ。


初めてこの作品を見たのは、東京の国立美術館だったと思う。書道展で見たのだが、その時に打ちのめされたのよく覚えている。


楷書から文字を追いかける。そして行書に変わり、草書で終わったとき、私は会ったこともないし見たことも無いが、そこに小野道風を見た気がしたのた。そして、彼は振り向きざまに

「どうよ」

と私に自慢げに問いかけたのだ。

その姿を見てしまったのだ。


全くあり得ないことなのだが、見えてしまったんだから、仕方がない。



それから、その姿が頭から離れない。

で、今回もまたそいつは私の目の前に現れた(^^)。


だけど今回は彼の思うままにをさせなかった。

楷書は目で追いかけ、行書は思いで追いかけた。だけど草書は一緒に指で追いかけた。


ガラス越しにある作品のその線のリズムを、私は自分の指で同じように追いかけた。太ももの上に指を置き、手首を変えながら角度を変えながらそのリズムを追いかけた。


勝てるわけなんかないのに、でも、

(このやろう)

と思いながら追いかけた。これが実に快感。なんだろう合奏をしてるような感覚であった。いや、思い切って言ってしまえば、私と道風と王羲之の3人で書いている感じ。そう、あのパコデルシア、アルディメオラ、ジョンマクラフリンの”Mediterranean Sundance
https://www.youtube.com/watch?v=DvVmqnNBo9w
をやっているような。ああすごい思い切りだなあ、この表現(^^)。


(だけど、この作品、何か似てるなぁ)

と思って作品を最初から追いかけて見てみた。わかった。ジャズの音楽に似ているなぁと言うことなんだよ。しかもその曲名がわかった。Keith Jarrettの「ケルンコンサート」である。


しっかりと格調高いフレーズから始まり、カッチっと構成をしながら進んで行って、途中から崩れつつも、最後は発散して終わる。発散していてもきちんとその中に入っている。あーTHE KÖLN CONCERT

だと思った。


妄想が次から次へと生まれる。

だから本物見るのは楽しい。



その後、他の展示物も鑑賞をした。根津美術館にある燕子花図の屏風。金色になっている下地の上に見事な緑の葉っぱと青系の花の作品だ。これはやっぱり見ておきたかったのでじっくりと見た。


し、か、し、だ。

どうしても、もう一度小野道風を見たくなってしまった。閉館時間まであと1時間はある。そこで踵を返して、ヘッドセットを返却して、もう一度展示されている3階に向かった。


閉館1時間前になったら書道の展示するには、嬉しいことにというか残念なことにというか人影は少なくなっていた。書道作品はそんなに人気がないのかなあとちょっと悲しくなった。でも、見る側の私としては非常に嬉しい。


こんなことはもうできないだろうと思ったので、人が少なかったのを幸いに、佐理と、道風

の作品はすべてなぞってみた。最初から最後まで自分の指をお腹に当てて、または太ももに当てて、目の前にある真筆の筆触を感じながら、筆の返し方を感じながら、書くときのリズムを感じながら。一文字一文字全て私の体に擦ってみた。


ちょー、気持ち良かった。

今までこんな風にして書道の作品を鑑賞した事は無い。でもものすごくよかった。目で追いかけるだけとは全く違った。


なんというか、作品が体の中に染み込んでくる。びっくりした。

次回は、筆を持ってこようと思った。それを自分の手のひらの上で動かしながら、作品を鑑賞したいと思った。


閉館ギリギリまで粘って、堪能しました。



書道を学んでいて良かった。

2016/12/14

葛飾北斎 富嶽三十六景 神奈川沖浪裏

Img_9206

葛飾北斎 富嶽三十六景 神奈川沖浪裏
友人の一人は、光の版画と称してくれました。
嬉しいなあ。

醍醐寺 弥勒菩薩像

Img_8882

刻仏

2016/11/30

三十三間堂 風神像 刻仏

ガラスに、「三十三間堂 風神像」を刻仏してみました。

Img_8181

2016/11/26

平等院鳳凰堂の雲中供養菩薩像の南8号をガラス板に刻仏する

『心やすらぐ 国宝仏像 なぞり描き』(田中ひろみ 池田書店)という本がある。
この本を手に取った瞬間に、閃いた。
(あ、これでガラスに刻してみよう)
と。

摸書という書道の学習方法がある。お手本の上からなぞるのだ。日本の書写教育ではあまりされていないが、これはとても効果のある指導方法で、私が中学校の教師の時はこれで指導していた。

Img_7853

で、写仏だ。写仏は摸書に似ている。お手本の上からなぞるのだ。私にも仏像が描ける。これは気持ちがいい。初めに万年筆でやってみる。心地よい。それを画像加工アプリで効果を加えてみたりする。これも気持ちよい。

Img_7858

Img_7877

で、いよいよである。
ガラス板に写仏である。刻仏である。

一升瓶に般若心経を刻すことで技術を磨いてきた私は(^^)、ここでその技術を活用することになる。そんな風になると思わなかったが、活用するのである。

一気に仕上げた。
ふう、気持ちがいい。

問題は、撮影である。
ガラスに刻した仏のその線から生まれる影の仏をも撮影したい。
しかし、ガラスに刻したのを撮すのはなかなか難しい。
撮影者の影が写り込んでしまうのだ。
室内のあれこれも反射してしまうのだ。

専用スタジオのない、自宅のリビングで撮影の私は、写り込みを避けながら、ガラスの仏と影の仏を一緒に撮影する工夫をあれこれあれこれ。まあ、この工夫を考えるのも面白い。

そして、イメージに近い作品を写撮ることができた。



Img_7952

この作品は、平等院鳳凰堂の雲中供養菩薩像の南8号だ。
臨終の際に、極楽浄土からお迎えにきてくれる楽人。
光と影とでデュエットで奏でてくれている。
私は、聞こえにくい耳の持ち主だが、この音楽はその時には、聞いてみたい気がする。

で、次の作品は、何にしようかなあともうすでに考え始めている(^^)。

今回の作品には、初めて雅号を瓶底に刻した。

Img_7898

一升瓶に般若心経を刻し始めて、さて何本ほど刻しただろうか。
もうすでに10本以上は刻しているなあ。

文字を格ではなく、文字を刻す楽しみ。
一日に数行ずつ、刻して仕上げている。

特に何かの目的があって刻しているわけではないが、刻している。まあ、強いて言えば全ての一升瓶の種類に刻してみたいと思って刻している。色や瓶の表面の加工具合によって、いろいろな一升瓶がある。

今回仕上がったのは、マリンブルーのもの。
今までに仕上げてきたものの中で一番太字で大柄の文字で仕上げた。

般若心経の写経では、一行に刻す文字数が決まっている。17文字だ。ところが、メインの「羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提娑婆訶」は18文字。この17文字と18文字を一升瓶の胴の部分に書き切るのは、実はなかなか難しい。しかも今回は太字の大柄の文字だ。

それが今日完成した。
うむ、実に嬉しい。
今回の作品には、初めて雅号を瓶底に刻した。

次の作品に取り掛かろう。

2016/11/17

吉例の池田教え子等関係者の新年会のご案内です

Img_6819

吉例の池田教え子等関係者の新年会のご案内です。
今年は、教え子の自宅で一次会です。
ご参加をお待ちしております


平成29年新年会のご案内

一次会

日時 平成29年1月3日(火)12時〜
集合 多摩都市モノレール 上北台駅 12時集合
場所 メンバー宅 
会費 3000円程度を計画しています。
交通 立川北駅(多摩都市モノレール)11時37分発→上北台駅(多摩都市モノレール)11時53分着があります。

参加希望者は、池田先生までご連絡ください。
メンバーの個人宅のため、飛び込みでの参加も歓迎です。参加できる方、ぜひご一報ください。

二次会
日時 平成29年1月3日(火)夕方〜
集合場所については池田先生までご連絡ください。立川を計画しています。
会費 実費


楽しくやりましょう(^^)。

なお、メールは、

https://mailform.mface.jp/frms/ikedaosamu/pj5oj17oamyz
へどうぞ。

2016/05/01

般若湯の入れ物に、般若心経を刻す

13102640_10153301357052134_579903_2

ミニルーターで一文字ずつ刻しました。
実に楽しかったです。
これが完成したので、GWは満足です。



2016/04/20

籠字(かごじ)、双鉤塡墨(そうこうてんぼく)


Img_3120

籠字(かごじ)、双鉤墨(そうこうてんぼく)という書道のお手本作り、練習方法がある。

お手本の上に薄い紙を置いて、お手本の輪郭を写し取り、その中をぬってお手本のコピーを作るやり方である。コピー機のなかった時代のお手本の作り方である。

学生時代にこの方法を習った。
(んなもん、本をコピーすればいいじゃん)
と思ったが、課題なのでやった。

やったところ、これがなかなか奥が深い。
輪郭を筆で写し取るには、元の字をきちんと見なければならない。また、一定の線の太さを保たないと書くことができない。つまり、じっくりとお手本を見ることと、筆の力加減の調整の二つも鍛えられることになる。

今、亀に文字を刻しているのだが、ふと思いついて酒瓶にもやってみた。これが楽しい。そして、台所を見たら空いた日本酒の瓶があって、そこには籠字をしてくれと言わんばかりの酒瓶があった。

早速やってみた。
和紙の上から刻してみた。
なかなかいい。

この後、水につけて和紙を剥がしてみたのだが、刻し方が弱かったので、酒瓶にはきちんと文字は残っていなかった。次回は、酒瓶にしっかりと文字が残るように刻してみよう。

(一体俺は、この忙しい四月に何をしているんだ? 何を目指しているんだ?)
と冷静にツッコミを入れてくるもう一人の私もいるが、こういう風に思いついたことをやるのは実に楽しい。

そして、この楽しいから始まったことは、次の何かのどこかにつながっていることが多い。まだまだ続けよう。

2013/12/09

1321年前の今日の出来事

12/9

Img_9110

Img_9125

東(ひむがし)の野に炎(かぎろひ)の立つ見えてかへり見すれば月傾(かたぶ)きぬ

万葉集 巻一(四十八)柿本人麻呂

あまりにも有名な歌だ。
一つの叙景歌でありながら、沈む月に亡くなった草壁皇子を喩え、昇ってこようとする朝陽を軽皇子を喩えているとも言われている。柿本人麻呂は、軽皇子と一緒に奈良に巡航した際に、この歌を読んだと言われている。その場所は、いま「かぎろひの丘・万葉公園」となっている。

人麻呂がこの歌を読んだ日であろうと推定されている日がある。旧暦の11月7日である。
http://www.ricen.hokkaido-c.ed.jp/411kenkyuukiyou/vol12/hitomaro.pdf

旧暦カレンダーで調べてみる。
http://www.ajnet.ne.jp/dairy/

実に今日なのである。
今日は何と言っても皇室でも誕生日の方がいるが、それ以上に我が家では奥さんの誕生日である。そして、それは今年は、柿本人麻呂のこの歌の詠まれた日でもあるのだ。

写真は、我が家から見た今朝の「かぎろひ」。
人麻呂は、この青と赤のコントラストを見たのだろう。
それは、実に1321年前の今日の出来事だったんだなあと、思う。


より以前の記事一覧